「ん?」
二体の砂獣を私は蝿を叩くかのように叩いたはず。じっさい、砂獣二つ分のでっかい砂柱があがった。けど……なんかそのまま突進してきた。びっくりである。次の瞬間、とても大きな衝撃が伝わってきた。大きく後ろに揺れて、次に逆方向へとグワングワンとゆれた。
それは今までで、いや目覚めて一番……は言い過ぎかな? 流石に空獣とやった時は死さえも感じたからね。でも今は、鞭打ちとかになりそうではあるが、死まではかんじない。
まあでもこうは思ってる。
「やるじゃん」
――ってね。なにせ確実に私は叩いたはずだ。それに砂柱だって上がってる。どういう事? 砂柱が上がったってことは、それはつまりは物体がちゃんと砂に落ちた――ということではないだろうか? 実は私が見てた砂獣達は実態ではなかったとか? でもスキャンをしてたんだ。それは常に相手を分析してると同義である。
それをこいつらがごまかせるか? といえばそれはないと思う。だって相手を騙す……それこそ高性能なレーダーに映らないようにするには相手も同レベルの技術があらないと無理だろう
でもこの世界の技術レベルは低い。実際砂獣だから世界の技術レベルは関係ないかもしれないが、砂獣がいきなりメカメカしくなる……とかはないからね。そこら辺はあの神もわきまえてるのかもしれない。
だからハッキリ言えば、もしもG-01の技術レベルが10だとすれば、この世界は3くらいである。技術に依存なんてしてない砂獣が神の知識によってそれよりも上だとしても、きっと4や5である。つまりは全然G-01の超技術には対抗できるわけはない。
けど騙された。だからこその「やるじゃん」である。まあでもグワングワンしただけで、ダメージ事態はあんまりない。アラームが鳴りまくる……とかもないからね。これが空獣だったら、もう上半身と下半身が分断されてたかもしれない。そうなると流石にアラームが鳴りまくるだろう。
私はモニターに表示されてるダメージをみる。それは腹部に3%の損傷って感じである。つまりはかすり傷……打ち身にもなってない。じっさい騙されたことには驚いたが、まだまだ私に……G-01へと届くには足りないってことだ。
私は突進されたまま後方に飛んでるのをブースターをふかして無理矢理とめた。そしてその無理矢理の推進力というか反動か、それがG-01へとぶつかってた二体の砂獣へと響く。
実際はぶつかってた混在砂獣に殆どのダメージは言ったと思う。だって肥満な方は別にG-01へは触れてないからね。でもきっと混在砂獣を通して、衝撃は僅かにでもつたわってるだろう。
ほら、振り子であるじゃん。数個横並びにした振り子の端のヤツを持ち上げて、振らせる、当然だけど、その先にある振り子の玉へと当たる。けどそれは隣りにある振り子の玉に阻まれて振れることはないが、一番端っこの玉が持ち上がるってやつである。
きっとその原理で衝撃は伝わってるだろう。
「今度はどうやって避ける?」
私はそう言って体から離れた二体の砂獣をG-01を華麗に操って蹴りを入れてやった。その瞬間、肥満型の砂獣が爆散したよ。