G-01から伸びたウネウネとしたものは訳がわからない力って訳じゃない。G-01の力に柔軟性を持たせるためにある素材と組み合わせて、更にはこのウネウネ自体にスキャン機能を持たせてる。触れてるものを常にスキャンして、その存在を丸裸にするのだ。そしてその存在に干渉しうる逆位相のエネルギーを効率よく、端的に押しつけることで対象を崩壊させる。
そういうロジックである。つまりは技術の押し付けでやってるのだ。
「そこだね」
私は砂の奥に潜伏してるブヨブヨを見つけた。黄金の鬼との繋がりをここまでくるまでに完璧に把握してる。ブヨブヨから黄金の鬼へと流れてるエネルギー。それは常に流れてるって訳でもないらしい。
「まあ、鬼のエネルギーは大きいからね」
実際これまで鬼と対峙してきた私はよく知ってる。なにせ今はG-01が越してるが、最初はそれこそ鬼の方がエネルギーだけで見ればG-01よりもあった。だから勇者とアラクネちゃんを相手にしてるとはいえ、鬼なら十分に余裕があるだろう。まああの黄金の鬼はそれそこエネルギーを無駄に消費するような戦い方をしてるから、世界のエネルギーまで使う羽目になってるんだと思うけどね。
けどそれなら、このブヨブヨとのつながりを断つことで黄金の鬼自体がガス欠になる可能性は高い。そうなったら今度は殴りにかかってくるんだろう。でもそこまで弱らせたあとなら、勇者とアラクネちゃんにも勝機はある。
なにせ普段の状態のエネルギーで身体強化までした鬼を相手にしたら流石の勇者でも……そしてその聖剣の性能でも鬼に攻撃を通すのは難しかったはずだ。でも身体強化も出来なくなった鬼相手なら、勇者の聖剣なら十分に鬼に食い込むことができると思う。なかなかにあの聖剣、性能えぐいからね。
上を食らうための性能をしてると言っていい。それでも力の差がめっちゃ隔絶してたらそれこそダメだったけど、ただの鬼の体なら、死に物狂いでいけば、勇者と聖剣の組み合わせならいけると、私の予測がいってる。
まあ私の予測というよりも、G-01の計算ではある。
「がんばれ勇者」
私はそう言って、伸ばしたウネウネを間に入らせてブヨブヨと黄金の鬼のつながりを断ち切った。その瞬間、なんか感覚がふわっとした。気づいたら私はG-01のコクピットじゃない感じの場所にいる。
