はてさて、どうしようかな。私は目を閉じて、メニューを呼び出すよ。実際、ステータス画面みたいに、目の前に現れてくれたらいいんだけど……どうやらそういう機能はなさそうだからね。とりあえず必要な機能ははっきりしてる。
そこから絞り込んでいけばいいだろう。あとは私の力量次第かも。だって上手く宵と明で切り替わるようにしないといけない。宵になったら、その機能を開放して、鬼によって世界を明け渡さないといけない。まあタイマー機能でもつけておけばいいかな? それで大丈夫なのかは正直わかんないけど……
それかなにか世界のシステム的なものに接続とかできれば……もっと柔軟に対応できるかもしれない。
「ねえ、何か力を引き継げない? それなら今までのあんたのやってきたこと、完璧にできるかも」
「了承」「放棄」「未練」「欠如」「完璧」
ふむ……どうやら私にすべてをくれるらしい。それに未練なんてない。だからこそ、自分の残った力やらなにやら、すべてを開示してくれるということだ。それならいろいろと世界の仕組み? なんてものもわかるかもしれない。まあなんか世界によってありようってやつが全く違うから、それが参考になるのかは正直わかんない。けど、ある意味でもしもG-01をつかって世界を作るとかなったときに役に立ちそうではないだろうか? 作り方をしらないよりも、知ってた方がなにかといいと思うし。
なのでありがたく龍からそれを受け取ることにした。龍の長いひげが私の周囲を包んでいく。そして先端の二つが私の目の前に。
「ふむ」
どうしたらいいんだろうか? 手でも出す? でもやっぱり情報を処理するのって頭じゃん? なので頭をちょっと差し出してみた。すると私の頭にその二つの髭の先端がふれる。その瞬間、いろいろと情報が流れ込んできた。
「うっ」
ちょっとふらつく。なにせ世界のさまざまな情報が一気に流れ込んできたのだ。今まで何度も脳を拡張してたからなんとか耐えられたけど、そうじゃなかったらこの情報量に耐えられなくて気絶してたかもしれない。それならまだいい方で、もしかしたら脳がぶっ壊れて廃人になってたかもしれない。
大げさ? いや、実際脳なんて鍛えようないんだから、無理やり情報とか押し付けられたらそうなる可能性はあるよね。
「ふう……よし」
私はいろいろ考えて手をかざす。まあこの空間に何かが現れる訳じゃない。けど、この世界の今、この龍がいるぶよぶよの空間にそれはきっと現れてる。それによって、世界の役割を装置へと置き換える。
「感謝」
そんなことをいって、龍は粒子になって消えていった。