「なるほど……」
ラパンさんの部屋にかつてのこの世界の街の地図とかあったから、それを参考に私は今のこの世界を当てはめて、おおよその無くなった街の場所を割り出すことにした。実際都市核ってなかなかに魅力的なエネルギー源なんだよね。
このまま全てを教会に譲る理由もないかなって……そう思った。まあとりあえずは私だけで行動しよう。一応勇者にだけ報告をして、私は立ち上がった。
そして今の聖騎士達の場所を調べて、そこから一番遠い場所を目指す。別にかち合ったとしても私は負けるつもりなんてない。けど……わざわざ奴らとやりあうのも面倒だからね。私の目的はあくまでも都市核の確保だ。人側が持つとなったら、きっと教会が持とうが、こっち側が持とうが、あの扉は白くなってくれるんじゃないだろうか?
「さて……私は砂に溶け込むような術式は使えないからね」
私は砂漠のど真ん中にいる。右を見ても左を見ても砂漠だ。砂しかない。もう何にも変わらない風景すぎてただの普通の人なら絶対に迷いそうな……どっちに行けばいいのかわかんないだろう。
とりあえず私にはあの聖騎士達が使ってたような特殊な魔法は使えない。なので砂の中にすーと入っていくなんてできないが……まあどうにかなる。
なにせG-01なのだ。むしろできないことの方が少ないまである。とりあえず私はG-01の両手を合わせて、目いっぱい砂に打ち付けた。
ドゴォォォォォォォン!!
ととても大きな音と振動が響く。大きなクレーターになってくれてる。けどまだ街の残骸とかはみえない。あと、何発か必要かな? 私はそれから数発砂をたたく。するとようやく砂に埋もれた街の屋根位が見えてきた。
やっぱりなんだって力で解決できる――って私は思った。
「さすがにここからやったらこの町の建物がやばい……いや、別にいっか」
私は案外姿を保ってるここ……なんという街だったかは忘れたこの場所の建物を一瞬だけ気遣ったけど、よくよく考えたらどうでもよかった。なにせここに人が戻ることはない。それが起きるとしても、本当に全てが終わった時だしね。今は教会に勝つために都市核を欲してるのだ。だから別にここは――
「いいよね!!」
私はドバーン! と腕を振り下ろす。それによって砂の中でも形を保ってた街が吹っ飛んだ。さてと、都市核を取り込んだ砂獣はどこかな?