「まずは一つ」
私はとりあえずこのまま持ってるのは面倒だから、G-01の空いてるスペースに入れることにした。肩の所に僅かなスペースがある。実際何を入れるためのものなのかわかんないスペースである。
でも十分。なにせ都市核なんてのは人の手で持てるサイズなのだ。それこそ直径50センチくらいである。G-01ならつまんで持てるサイズだ。それをコロンとスペースに投入しておく。私は別のモニターで中央の空に浮かんでる空の模様の中心を確認する。世界に変な模様は広がってるが、その中心は中央にあって、そして扉のようなものが見えるのもそこだからね。
常にドローンで監視してる。そして私が倒したドスコイ砂獣の都市核……ここに元あった街のシンボルは……
「ええっと確か……ああ、あれか。私がとっても白くなってるじゃん」
アズバインバカラで見つけた過去の街の情報と照らし合わせて見ると、今まで赤かったシンボルで白くなってるので適合してるのがあった。もしかしたら私がこの都市核を手に入れたとほぼ同じタイミングで聖騎士たちが他の都市核を手に入れた……かもしれないと思ったけど、どうやらそういうのはない。
ちゃんとドローン越しに確かめたから間違いない。どうやら聖騎士達は今は移動中のようだ。
「あのデカい聖騎士が居ない?」
普通の聖騎士の二倍くらいあるようなでっかい聖騎士が居ないのが気になる。でも居ないなんてのはないだろう。だってやっぱりだけど、普通の聖騎士では都市核を内包した砂獣にちゃんとてこづってた。
あのデカい聖騎士なら一発だったが、そっちがおかしいからね。でもあの聖騎士がいるからこそ、きっとこの作戦を実行してるんだと思うんだ。ならあれが同伴してないなんて考えられない。
「あの中に実はいる?」
私は飛んでる聖騎士達を観察する。ドローンも色々と高機能にはしてる。それこそ最初はただ飛んでカメラの映像を伝えるだけのやつとか、それこそネットワークを構築する為だけのドローンとか、単一の機能しかないのを生み出すことしかできなかったわけだけど……私も慣れて、色々と機能を詰め込めるようになってる。
やっぱり経験って大事だ。ただドローンを生み出すだけなら、そういうレシピというか設計図があるから、それをもとにユグドラシルシステムを使えば勝手に生成してくれる。でもやっぱりそれは基本のドローンだけなのだ。
だからそこに色々と機能を盛り込むためには、システムに手を加える必要がある。やっぱり使ってみると、あれがあったらいいのに……とかいう願いというか願望が出てきてしまうのだ。
だからやれるかな? とか思ったらやれた。それに一度改良を加えたら、それをレシピ化して次は私が作ったレシピをもとに製造できるからね。つまりは大変なのは最初の一体だけなのだ。
「ふむ……上手くカモフラージュしてるね。私の事、気づいてる?」
いや、流石に教会も馬鹿ではないだろうし、こっちが情報を得る手段を持ってることには気づいてるだろう。なら警戒して、あのでっかい聖騎士を隠すくらいはするか。妨害電波を飛ばす……みたいな発想はないみたい。まあけど、仕方ないよね。なにせこれまでは教会はやりたい放題だったんだから。
「まあけど戦闘になれば出るしか無いんだし、その時注視しとけばどいつがあのでっかい聖騎士かわかるでしょ」
私もとりあえず次の都市核を目指して動き出す。