uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 871

「どうする気だ?」

「これを使います」

「ふっなるほどの」

 

 暗い部屋……けどそんな狭くなくむしろだだっ広いまるで礼拝堂の様な所で二人はそんな会話をしてる。光源はなんか不気味な燭台だ。蠍の燭台で、怪しい光がわずかに、心もとなく部屋を薄暗く照らしてる。ここは結構この大聖堂の奥の奥。ここに来るまでにも、礼拝堂はあって、多分そっちがメインの礼拝堂で……多分表はあっちなんだろうと思える。けど広さだけ見たらこっちの方が広い。

 綺麗さは表の礼拝堂の方が強いけど、こっちは禍々しさに全振りしてるって感じだね。まさに教会の裏が現れてると言っていい。だってこれって絶対に「悪魔」とか崇拝してそうだし。

 そして老齢の教会の高官みたいなやつと、もう一人のそこそこ若い……といっても30代くらいのその人はにやりと嫌な笑いをしてる。30代くらいの中間管理職をしてそうなその人が出してるのはツボだ。小さな、手のひらサイズの壺。

 それもやけに綺麗な壺である。小さいのに、とても綺麗な装飾がされてる。壺なのに銀色に光ってるしね。あの壺だけでとても価値がありそう。

 

「笑いあってるってことは、きっと勝算があるんだよね」

 

 それだけあの壺の中身に信頼を置いてるってこと。一体何なのか……見たい。とりあえずスパイドローンを移動させる。そして真上に来たところで、スパイドローンのカメラをズームさせる。小さなスパイドローンだけど、蜘蛛には八つの目がある。それをなんか利用することで、不思議にもズームができる。別に目玉が飛び出したりしてるわけじゃない。けどなんかかなり先――一キロ先くらいを映せるくらいのズーム倍率がある。

 

「げっ」

 

 私はそんな声を上げてしまった。いや、覚悟はしてた。だってこの世界の砂獣とか大体昆虫型とかしてるしさ……きっとそんな感じの気持ち悪いのがあの壺の中にもいるのでは? って思ってた。

 でも壺の中にいたのは昆虫ではなかった。そこには一匹の蛙がいた。禍々しいというか、毒々しい色をした一匹の蛙。それにその蛙は目の部分に重なるように飛び出る目がもう一対ついてる。つまりは四つ目の不気味な蛙ということだ。

 そんなの見たら「げっ」とも言いたくなる。どうけしかけてくるか知らないが、はっきり言ってあんなのG-01に触れてほしくもない。それだけでぞわぞわしちゃいそうだし……ここで殺すか? とかもちょっと考える。