uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 888

「くっそ! なんとか近づけええええ!!」

 

 そう言って前線で頑張ってるザンサンシャカレの兵士の一人がそんな風に叫ぶ。別に彼は隊長とか、そんな役職がある人ではない。たぶんね。

 ただの一兵卒だろう。なにせ前線にいるのがその証拠。まあこの世界、強い人は偉かったりするから、前に出たりもするけどね。でもあの人は、そうではないはずだ。

 流石に隊長格ならなにかわかりやすい印はつけるからね。きっと戦闘でただテンションが高くなってるから、叫んでるだけだろう。実際叫んでないとやってられない状況なんだろう。

 最初の奇襲は上手く言った。けど今は、ダンゴムシから落とされてからは、防戦一方だ。なにせ教会側はダンゴムシの上から魔法を撃ちまくればいいだけだからね。ドローンにしたように派手な炎の魔法に見えない風の魔法を織り交ぜてる。そのせいで、負傷者は増える一方である。けどどうやら強化されたこの世界の人達は、ドローンよりは硬いらしい。鉄よりも硬い人の肌とは? とか思うが、その体を覆ってるエネルギーが魔法の魔力を当たったときに拡散してる感じで威力を減衰させてるという仮説ができる。

 圧倒的にその体を覆ってるエネルギーよりも強い魔法が来たら、流石に大ダメージを受けるのは必須なんだけど、今はそれこそまだ大丈夫な範囲らしい。けどそれでも足は止まる。そうなってくると、かなりでかいダンゴムシを登るだけのいきおいって奴が稼げないから、実際教会側から考えるとこれでいいんだろう。

 それに致命傷には風の魔法は至ってはないが、それでも体から血は流させることができてる。それは薄皮一枚でも、ずっと血を流してるのは生身の人間にはつらいことだ。体力だって無限じゃない。

 それはきっとじわじわと効いてくる。教会は焦る必要はないのかもしれない。けどこっちも宵まで持ちこたえることができたら……宵が明けて明になれば体力は回復するからね。

 

「いや、流石にそこまで悠長にするはず無いか」

 

 流石に宵になる前にはきっと奴ら、決めに来るはずだ。ちまちまと体力を削って、一気にこの場の人達を倒す算段が教会にはあると見て良い。それは実際、あのダンゴムシで囲んで踏みつけるだけでもいいからね。今はザンサンシャカレの部隊がダンゴムシに乗ってる教会の相手をして、その隙にアズバインバカラの部隊が前に回り込んで、ザンサンシャカレの前に立ちはだかった。実際それでもダンゴムシが突進してきたらどうしようもないが、壁になる覚悟ってやつをみせてる。それにアズバインバカラの兵士たちは新しい兵器を取り出してる。

 それを横一列に並んで背中から取り出して、皆が構える。

 

「うてええええええ!!」

 

 指揮官の言葉を受けて、構えてたそれを一斉にアズバインバカラの兵士たちが撃ち出した。