uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 895

「つっ」

 

 目隠しの聖女が錫杖を床に打ち付ける。それによって、ダンゴムシを覆う結界が展開された。そしてそこに再び弾がぶつかってくる。からくりが分かってる目隠しの聖女は慌てずに風も起こす。それによって弾が砕かれて撒かれる毒もながしていく。

 けど……

 

「目障りなゴミです」

「我らの為に……すみません!! 直ちに我らが奴らを止めてみせましょう!!」

 

 そう言って副官みたいな人が、周囲のヒラの教会の奴らに命令を飛ばす。彼の命令で、副官はヒラの人に命令して、弾を射撃をしてくるアズバインバカラの兵士たちの方へと魔法を飛ばす。けどだ。一つのダンゴムシに居るのは20人くらいである。

 まあ正確に20人ではないが、大体そのくらいだろう。その人達が一斉に魔法を発生させて、アズバインバカラの兵士たちに打ち出す。けど……

 どうやら簡単にその魔法は交わされてる。なにせ距離がある。そこそこある。距離があくと、それだけじっくりと魔法を見て、その軌跡だってわかるだろう。そして忘れてはいけないのは、この世界の人達は屈強である。厳しい世界だからね、皆が筋骨隆々だ。そもそも地上はいつだってカツカツなんだから、太ってる人なんていない。常に絞られてるみたいな状態だ。

 太ってるのなんて、それこそ教会の上層部とか、中央の貴族たちくらいである。なので、距離が離れて、じっくり見えて、ただの直線的な攻撃なんて彼らにとっては避けるのは簡単である。

 それなのに目隠しの聖女が乗ってるダンゴムシは他のダンゴムシに囲まれてる状況だから、移動なんて勝手にはできない。なんとか射程ギリギリから撃ちまくれるようにアズバインバカラの兵士たちは移動しつつも攻撃を加えることが出来るが、目隠しの聖女が乗ってるダンゴムシはゆっくりとしか移動できず、そしてその上の籠に居る教会の奴らとは常に一定の距離が開いてることになるから、どっちも攻撃が当たることはないっていうね。

 

 そんな状況になってる。勿論だけど、教会の奴らは風の攻撃も織り交ぜてるし、なんなら石を生み出し打ち出す……とかいう魔法も初出ししてる。でもどちらもダメなんだ。

 ダメというのは、どうやら風の魔法はそこまで射程がないらしい。威力を確保できる距離はどうやら見たことろ、せいぜいが10メートルってところである。距離が離れすぎると、どうやら威力が一気に減衰するみたいだ。

 というか、その形を保ってられないみたいな? そもそもが風というものには特定の形はないわけで、それを刃に魔法の力でしてるわけだ。その形を維持するのは難しいってことなんだろう。

 逆に一度物質を作ってしまう土魔法は最後まで形を維持できないってことはない。けど、それでも炎よりも射程はない。こっちもせいぜい20メートルくらいである。こっちは単純に多分質量のせいだと思う。

 そしてこの世界にある重力と、空気抵抗とかそんなのが影響して、アズバインバカラの兵士たちまで届かずに砂に落ちてしまう。実際、ダンゴムシの上から撃ってるわけで、かなり好条件で発射してると思うんだけど、それでもアズバインバカラの兵士たちまで届くことなく土魔法の杭みたいなのはおちていってる。

 

 なので実質届いてるのは炎だけ。実際アズバインバカラの兵士たちもそこまで精密に射撃できてるわけじゃない。けどそれでも正確に当てる必要もないわけで……それに彼らが目隠しの聖女を抑えることで、その間に他の四匹のダンゴムシを抑えることができれば……実質こっちの勝利と捉えることができないだろうか?

 きっとそれを狙ってるんじゃないかって私は思う。