「我らのせいで聖女様が……多少の傷など気にするな! 花を出せ!!」
目隠しの聖女の周囲に展開してるダンゴムシに居る教会の奴らも現状って奴がわかるやつがいるらしい。そいつは今の状況が不味いと思ったんだろう。なにせ中央の目隠しの聖女が居るダンゴムシはすでに全ての敵を処理をしてるが、周囲のダンゴムシの状況は決して芳しくない。それこそ、中央の目隠しの聖女からなら全てのダンゴムシへと支援ができたはずだ。けどそれを阻まれてる。
だからそれぞれのダンゴムシにいる教会の奴らにはそんな余裕はない。なにせ眼の前に敵がいるのだ。視線を外すと、いつの間にか首が胴体から離れてる――ってことがあり得るような状況だ。
だから流石にいつだって他人を馬鹿にしてるような教会の連中でも、命の危機が目の前にあるとなったら、他に意識を向けるなんてできない。けど、どうやら彼らは目隠しの聖女に悪い印象を与えたくはないようだ。いつだって怪我することとかかを嫌がってたはずの教会の奴ら。でも彼らは何やらを袖から出した。それは花だ。
見たこともないような、紫の怪しい光を放つ花。
「なんだあれ?」
私はさっそくだけど、待機してるドローンでそれをスキャンする。何やら不思議な花だけど……スキャンした所、変な成分がある……とかはない。まあもしかしたらG-01のデータにないような成分がこの世界のあの花にはあるかもしれないけどね。
それよりも注目すべきは……
「なんか魔力が多く宿ってるね」
あの怪しい光はきっと魔力だと思う。あの花に内包されてる魔力が溢れてるんだろう。あの花をどうするんだろう? と思ってたら、なんと教会の奴らはその花を口に含んだ。それこそ花は拳くらいはある。それを丸っと口にねじ込んでいく。
彼らは変なローブをすっぽりと被ってるから、どうやって食うのかとおもうだろう。どうやら首のところで分離出来るらしい。そこで口のところまで開けて、口に花を放り込む。
「美味しいの?」
そんな疑問をもってると、口に含んだ教会の奴らに変化が起きる。てか、よく見たら迷ってる奴らのほうが多い。つまりはそれだけヤバい物ってことでは?
そんな事を思ってると、何人か花を口に含んだ奴らが前に倒れそうになってる。そして丸めた背中がなんかボコボコしてる。そして体がバキバキとなりだした。
「なんだ?」
「まずいぞ! 今のうちに殺せ!!」
そんな声がザンサンシャカレの人達からでる。彼らも様子のおかしさにヤバいと思ったんだ。だからそのボコボコとしてる教会のやつに斬りかかる。けど、ブワッと何かが……いや魔力がその行動を阻む。
そして体が大きくなって、腕と足がローブからはみ出した、やばそうな見た目になった教会の奴が爆誕した。