「汚いですよ」
そんな涼やかな声が聞こえた。それは教会のあの目隠しの聖女様の声だ。何かが走ったのか、その瞬間に一斉にダンゴムシの籠へと乗り込んでたザンサンシャカレの兵士達が浮き上がって下へと落とされていく。
「うわっ!? なんだっ――」
「くそ!!」
「やめろ! 殺させろ!!」
そんな事を言ってザンサンシャカレの兵士たちが落ちていく。けど下は砂だし、血浄よりも効果的で効率がいいパワーアップの方法を教えてもらったザンサンシャカレの兵士たちは砂の上に上手く皆、着地してダメージを最小限に抑えてる。
けど……
「距離ができたのが痛いね」
なにせ今回あれだけ接近できたのは、教会側がこっち……ドローンに関心を持ってたからだ。そして現地人の戦闘力を見誤ってたことにある。でも奴らはもう気づいてしまった。今までこの程度――とバカにしてた現地の人達の戦闘力が、いつの間にか底上げしてることに。そもそもがこの世界の人達の戦闘力を意図的に押さえつけてたのが、教会なんだ。
それを私達が開放した。それによって飛躍的に皆の戦闘力は上がったのだ。そして魔法の武器。いや、正確には技術と魔法の武器だけど。なにせ教会が用意してた魔法の武器を私達の技術で再現したのが、今彼らが使ってる武器である。
メインは魔法で強化された武器ってことだけど、それを再現したのは私達の技術なのだ。自分たちが残したものでやられるってどんな気持ち? ってききたい。
でもこれからは現地の戦力も馬鹿にはできないとわかったから、
もう近づけさせるなんてことはしないだろう。そうなると……ね。なにせ遠距離攻撃が基本ないからね。そもそもが現地の人達は接近主体で、教会は魔法主体だろうから、遠近で相性がそもそも悪い。きっとそれも狙ってやってるんだろう。
何かあったとしても、近づく前に制圧できるように、現地の人達には遠距離の攻撃方法をもたせずに、一方的に蹂躙できるように教会は魔法を主体にしてるっていうね。そもそもが近接をするのなら、奴らは砂獣を使うんだろう
全てにおいて卑怯……その言葉がここまで似合う奴らもそうそういないよね。