砂丘の向こうから姿を表した部隊の人達が教会のダンゴムシへと攻撃を仕掛けようとむかってくる。それに気づいた彼らは驚く――かと思ったがなんかそうではないらしい。
「ゴミが」
そんな風に誰かがいったと思う。けどあくまでも彼ら的には脅威度の意味でいうと現地人である彼らよりも、未知の存在である私達のほうが優先度が高いらしい。
「あっちにもちょっとは意識向けなさいよ!」
と、私は文句を言うよ。だっていつまでもこっちしかみてないからさ。教会はどうやらドローンを全て潰したがってるみたいだね。まあ全てと言っても、ここに集ってるのは、全然全て――ではないんだけど。教会の奴らだってドローンには攻撃性能とかあんまりないとすでにわかってるだろう。
だから、ここまで執着する必要なんてないんだが……でも教会は現地人のしかも地上に息づいてる人達を全然脅威なんて思ってないから無視してるんだろう。奴らは中央である人達以外は、人となんてみてない。家畜かなんかだと思ってるんだろう。
脅威を感じる必要なんてない――けど本当にそうかな?
「俺たちの街をどうする気だああああああああああああああああ!!」
そう言って一人の男がダンゴムシの上部へと現れた。その事実に教会の奴らは驚愕する。まあそうだろうね。なにせダンゴムシは10メートルはある。それをどうやって? って感じだろう。教会の奴らには魔法があるからどうにでも出来るだろう。けどいくらこの世界の人達が強靭な肉体を持ってると言っても、普通の感覚では10メートルを駆け上がるなんてできないってのが常識である。
でもこいつはできた。いやこいつだけではない。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
そんな声とともに何人もの奴がダンゴムシをその身一つで駆け上がって教会の奴らに牙を向いた。そして驚愕してる教会の奴らに向かって、その凶刃を振り切る。
たまたまそばにいた教会の奴らが血を吹き出す。
「馬鹿な! 地上の奴らの剣などに我らの防御がやぶ――」
「知るかよ!!」
予想外だったのか、教会の奴らが背中を見せてにげだしてる。けどそこに容赦なく、登ってきたザンサンシャカレの兵の人達が剣を振り抜いていく。剣の届く範囲にいる奴らは尽くその剣に斬られ、貫かれて死んでいく。