uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 917

『とりあえず、君は彼らの言う事にはちゃんと従ってください。ちなみに僕は勇者と呼ばれてる。よろしく』

「お噂はかねがね……勇者様に紹介されたということは、私は認められたのでしょうか?」

『ああ、君の協力を感謝する。歓迎するよ』

「ありがとうございます」

 

 ドローン越しに勇者の声が聞こえてくる。それに対して、ミレナパウスさんは丁寧に応答してくれた。行き成り勇者を出すのはどうかと思ったけど、どうやら教会に勇者はちゃんと認識されてるらしい。まあなにせ手痛い痛手を負わせたのが勇者だから、指名手配とか……されててもおかしくないくらいだよ。実際されてるのかは知らないが……なにせこの世界手配書がそこら中にばらまかれる……なんてないからね。

 そもそもが紙がめっちゃ貴重だし……そんなに使えるわけないのだ。紙なんてのはこの世界では上流階級のそれこそ契約書? 的なそんなので使うくらいである。

 まあだから指名手配とかないのかもしれない。でもミレナパウスさんは教会の上層部くらいにいただろうから、情報も共有されてたのかもしれない。

 まあだけど……この勇者の声……

 

「んん……うまくいったね。トーンも口調も何もかも完璧だったね。これなら私が勇者という人となりをちゃんと理解できてたら、ばれることはないかも」

 

 そう、ミレナパウスさんと会話した勇者……実は私である。何を隠そう、私が発した声をG-01の機能で変声して外へと発してたのだ。

 まあ実際、ミレナパウスさんは勇者を知ってても会話はしたことないから、判断材料がないだけかもしれない。もしもこれから勇者と合流した時に、「あれ?」とか思う可能性もなくはない。

 けど私的には結構自信があった。声もそうだし口調とかも……ね。私は実は別に勇者に寄せた発声をしてるわけじゃない。口調は意識してるけど……私は声を変えてしゃべってはいない。

 そこは全てG-01の性能に任せてる。私の発した声……言葉をリアルタイムに解析して、それを今まで蓄積してた勇者の発声の声のデータから割り出して、私がしゃべった言葉をまさに勇者がしゃべってるようにG-01が変声して出来上がってる。

 いやほら、私ってずっとここに一人でいるからね。時々勇者や魔王とかの声を使って一人で勇者や魔王になって、会話するって遊びを発案したのだ。その経験がまさかこんな場面で役に立つとは。

 実際この機能、かなり優秀で精度がいい。変な違和感なんてものはないし、自分で三役やってたとしても、自然と三人で話してるように錯覚するくらいである。

 だからきっと本当の勇者に会った時もミレナパウスさんは違和感なんて感じないだろう。でも……

 

「一応勇者には事前に私が会話した内容は伝えておこう」

 

 報連相って大事だからね。