uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 927

「ふう……危ない危ない」

 

 私はコクピットの中から状況を見つつそうつぶやくよ。流石にここでアズバインバカラの住民と、それ以外の住民が全面的にやりあうのはまずい。

 なにせそうなったら、決定的な確執へとなってしまうだろう。そうなると困る。まあ私は困らないが、この世界の人たちはこれから教会を倒す戦いが始まるのである。いや……

 

「すでに戦いは始まってる……か」

 

 私は一つ、まったく別のところを映してるモニターを横目でちらっと見てそうつぶやいた。まあ彼らはそんなことはわかってないだろうが、ここで仲間同士がぶつかるのは悪手なのだ。

 だって当然、もしもここで彼らがどっかに行ったら、戦力が大きく減ることになる。まあここから出ていくなんて選択肢は実際はない。だって彼らの元居た町、そこはすでに廃墟である。一日で砂に埋まってしまったよ。

 そもそも彼らはそれを見てるだろう。なにせ街を砂から守ってるのは都市核なのだ。それをあるべき場所から外したら、砂の浸食が始まってしまう。彼らは自分たちにもう帰る場所なんてないってわかってる。

 だからここでうまくやらないといけない。だっていくらこの世界の人たちが頑丈だといっても、ただ何もない砂漠で生きていけるほどじゃない。砂を食べて生きながらえることなんてできないんだ。やっぱりだけど、飲み水も、食べ物も必要だ。

 それにこの世界なら宵になるまでに安全な場所にはいってないといけない。それは街の中だったり、教会が開発したテントだったりだ。でもあのテントはめっちゃ高いから庶民が持ってるわけない。せいぜい軍に支給される程度なのだ。

 なのでここで生きてかないと外から来た人たちはいけないわけだけど……そこに不和が生じた。きっかけは一つの殺人だった。実際荒くれ者たちが多い世界だ。酒に酔ってやりすぎてしまう……なんてことはよくある。

 まあだからってめった刺し……ってのはめったになかったが。なにせアズバインバカラも物資が潤沢になってとても潤いだした。だから羽目を外してしまうやつらは多くいて……そこにさらに外からここに移住してきた人々まで加わった。

 

 今までならそれこそ、アズバインバカラの中だけでの関係性なら、ある程度知り合いってことで自制になってたんだと思う。なにせ街と街を移動なんてめっちゃ危険な行為だし、大体の人は一生を一つの町で終える世界である。

 だからある程度、街の人たちはみんな知り合い位な感じで、互いに自制しあってんだろう。けど、ここ最近で一気に知りもしない人たちが増えた。

 もちろんこんな世界だ。助け合うのが前提みたいな世界だから邪険になんてしてなかった。それこそ食べる分とかが減るなら嫌がる人たちは出るだろうだろうが、事前にそんなことにはならないってラパンさんから通達がいってたからね。

 元からアズバインバカラにいた人たちは不満はなかったはずだ。それに全くしらない別の町のことを知れるのだ。ワクワクしてた人たちだって大勢いいただろう。

 当初は上手く回ってた。まあ三日くらいだったけど。どっちも歩み寄ろうとしてたんだ。けど猟奇的に殺される殺人事件が起きてから変わった。

 それは一回では終わらずに、二回・三回……と続けざまに起こった。そしてアズバインバカラの人たちを不安にさせたのは、今まで殺されたのが全部、アズバインバカラに元からいた人という事だった。だからここに元からいた人達は思ったんだ。

 

『これは外から来た奴らが仕業ではないのか?』

 

 ――とね。