uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 944

「よい声だ。皆の声、きちんと届いておるよ。希望に満ちた、明日を信じた声だ。我々はこれまで教会の言葉を信じて来た。その言葉を受け入れて、従っていればよいと……そう思ってきたのだ。

 いや、思わされてきたというほうが正しい。彼らはこの世界の為に、我々の為に厳しくもそういってるのだと。だがそれらは全て違った。

 教会の……奴らの言葉は全て自分たちの為だった。許せるはずもない。我々に信仰を押し付けておいて、甘い汁をすすっていた。あまつさえ、この世界を捨てて、楽園いくという。

 許せるはずもない。だが奴らは強大だ。皆もそれはわかってるだろう。なにせ……我々が奴らに頼ってた。我々にできないことを教会は出来た。だからこの戦いは勝てるのか? と思ってもおかしくはない。

 しかし今の声に恐れはない。それが皆の気持ちだろう。だから我が王として言葉にしよう。われらは負けぬ。我らは勝つ……勝つのだ!!」

 

 腕を上げる王。その様子がアズバインバカラやジャルバジャルへと中継される。それと同時に、民衆たちも腕を上げて興奮を示す。

 

「それでは余はこのくらいで。我らの女神から勝利の祝福をたわまろう」

「ふぇ……」

 

 そういわれて画面に映ったのはネナンちゃんだ。今日のためにしつらえたのだろう立派で豪華な服を彼女は着てる。そして彼女自身があふれさせてる力で私が作り出したアクセサリーがピカピカまぶしいくらいである。

 いつもも、ネナンちゃんはかなりいい服を着てたわけだけど、流石にこの晴れの舞台となれば、さらにもう一段階上にいくらしい。

 この世界は暑いからなるべく薄着で、生地も薄く……なんなら着ないって選択肢だって多い。けどそんなこの世界には似合わないくらいに今のネナンちゃんは着こんでる。

 そんなネナンちゃんの隣には年が近い王子様がいる。二人は手を取り合ってるから、とても微笑ましい感じに映ってることだろう。

 まあ別段二人が付き合ってる……ってことはない。でも、こういう配置にしたのには一応思惑ってやつがあるだろう。ネナンちゃんはとても貴重な力を持つ存在だ。だからこそ王族としては取り込みたいし、この戦いの後……それをきっと見越してるんだと思う。

 早いはやい――と思うかもしれないが、それがきっと上に立つ人たちが考えなくちゃいけないことなんだろう。そんなことを思って見守ってると、緊張してたネナンちゃんか大きく深呼吸をして、一歩前にでた。

 そしててんぱりつつ、こういった。

 

「えっと……その……この、来るべき……うええ……」

 

 いや言えなかったみたいだ。なんか手に持ってたから多分あらかじめスピーチの文面はあったんだろう。でもネナンちゃんは緊張でそれを紡ぐことはできなかった。けどそんなとき、そっと第二王子であるプライムがネナンちゃんの肩に手を添える。そして二人は何やらちょっとやり取りして、うなづきあう。

 そうしてこれだけを二人でいった。

 

「「私達全ての人へ、祝福を!!」」