砂獣はネナンちゃんとそして、アイの砲撃により、かなりのダメージをくらってる。こっち側の兵士たちはその中でもなんとか襲い掛かってくるような奴だけを相手にして、新たな武器で一刀に伏してる。そして足を止めずに前に進んでいく。このままいければいいけど……なにせこっちの勝利のプランはなるべく早く接近戦に持ち込むってことだ。
そうじゃないと、教会の有利な位置で戦うことになる。こっちは接近戦メインなんだ。そして向こうは魔法を使った遠距離戦がメイン。多分だけど、教会側はきっと砂獣でこっちを足止めして、そしてその隙に魔法を撃ちまくって殲滅する――ってつもりだったんじゃないだろうか?
だってそれが一番簡単な奴らの戦術だ。勿論それは私たち『外側』の奴らが出てこなかったらってことでもあるだろうけどね。勿論私たちが出てくる想定くらいはしてると思う。でも……教会は侮ってる。なにを――って? それは勿論だけど、現地の人たちをだ。
「あんた達が見下してきた人たちによって倒されるって屈辱を味わいなさい」
そんなことを私は高みでつぶやくよ。だって私がG-01で出ていったら、それだけで大体終わってしまうからね。私はその時が来るまで動く気はない。その時というのは、勿論だけど私たちの目的の物が現れた時だ。忘れてるかもしれないが、私たちは世界のサンクチュアリを求めてるのだ。まあ実際、九割がたネナンちゃんだと思うんだけど、彼女をどうするのかって問題が今はある。
でも諸々が終わったら、その時はサンクチュアリだけネナンちゃんからもらえたり……もしかしたらその力を私たちに使ってくれる……とかできるかもしれない。それかもしかしたらもっと別の……本命のサンクチュアリが現れたりするかもしれない。だから私は常に戦場をモニタリングしつつ、その瞬間を待ってるといっていい。
「いけえええええ! 止まるなああああああああ!!」
そんなジャル爺の声で皆が進む。それだけじゃない。あの場には名の知れた者たちが集ってる。それは軍でもそうだし、賞金稼ぎの中でもそうだし、街のチンピラの中でも名の通ってたやつ……とかもいる。まあ最後は格が落ちるけど、案外そいつ、凄い才能をしてたりした。
だからそういう奴らはきっと教会のあの聖騎士ともいい戦いを出来ると思う。でも教会の奴らもなんとしてもこちら側を近づけさせたくないみたいだ。当然だけどね。
奴らは大型の砂獣を呼びだして、仕掛けてくる。でもこっちの奴らもその程度ではもうひるまない。ここまできたら……みたいな覚悟が決まったらしい。