uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 793

「づっ!? 衝撃スゴ!!」

 

 そんな事を言いながら、私は冷静にダメージを見る。実際かなりふっとばされたが、衝撃は最初だけだ。なにせここは至れり尽くせりなのだ。私はとても頑強な場所にいる。世界で一番安全な場所はどこ? と問われたらここだと言えるくらいにはここは安全なのだ。

 まさか混在砂獣もその力を高めてくるとは……成長してるのか? 砂獣の成長っていうのは、それこそ他者を喰らって……とかだと思ってたんだけど……実際砂獣は機械的に人を襲う存在で、奴らは生物じゃない。だからこそ、奴らは腹が空いたからって、共喰いとかしない。

 砂獣とはただただ、人を間引くための存在。だから砂獣同士で争うとかいう感情もない。だがら進化……とかは人為的とか、偶然とか……そんなんではないとならない。実際これまで戦ってきた特別な砂獣はそんなのだったと思う。

 都市核を取り込んだり、それこそ教会にいじくり回されたり、そして……まあ私もやっちゃったりね。そもそもが砂獣とは固定されてるものなのかもしれない。だからこそ外部要因でしか変化しないのかも。

 それなのにこの砂獣達は自分たちで変化を起こそうとしてる……というか既にしてる。これはもしかしたらかなりの確変では? いや、そもそもが教会によって手を加えられてるから、この砂獣が自力で……というのは違うのかもしれないけど。

 私はG-01を操って次に迫ってた混在砂獣をかわす。そして側面から拳を叩き込む。確実にダメージが入った。それが一瞬でわかる。感触ではないよ。いや、感触でもわかるけど、それはシンクロ率が高いときだけだ。だっていちいち感触をフィードバックしてたら痛いじゃん。なのでそんなことはしない。

 けどまったくないのも困るは困るからね。なので一応触れたと言うことはわかる。それだけで十分だ。なにせ確かにこの砂獣達はなんかパワーアップしてる。その原理はよくわかんないが、それでもそうそう追いつける位の差ではない。

 だからこっちが触れたら大ダメージなのだ。向こうが必死に攻撃しても、そんなに慌てることはない。この差だよ。それは変わってないからね。きっと今の拳も混在砂獣に大ダメージを与えてるだろう。

 

「む……」

 

 なんかちょっと動きを阻害されてる感……その違和感はどうやら正しかった。視界を切り替えると、G-01にくっついてる糸が見える。これはきっとアラクネの糸だろう。たしかにアイツも半身を削ったけど、止めはさして無い。蜘蛛らしい事をやるじゃん。

 そんな私に、再び多腕砂獣がその鎌を振りかぶってくる。その体から血を吹き出してるが……それでも私に迫るその姿には気迫を感じる。