uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1050

 面倒な……そんな事を私は思う。それに同時に……これはまずいな……ってのも考えてた。勇者は頑張ってる。でもあれは……そうあの扉から出てるあれ……その上半身が完全に出てきたことで、そのエネルギーの詳細がわかった。
 とんでもないものを呼び出してくれたものだ。どうやらアレは時空を管理してる神……の名残というか、残滓といっていい存在だ。きっと変な空間の干渉を知たんだろう。時空間が辺に歪められて、引き寄せられて来たのがアレだった……本当ならこんな風に戦う様なことになる存在じゃない。
 そもそもが出会うことすら……だ。ナニカ変な影響も受けてしまってるのかもしれない。明らかにあの存在は都市核を狙ってるし……もしかしたら時空間での悪影響をこの世界だと判断してるのもしれない。
 そしてここでの世界の消失はまた別の世界の礎になるはず。もしかしたらそれが……楽園となる……とか? 楽園はもともとはなくて、新たな世界が楽園ということなのかもしれない。それならあの存在をここの神はつばをつけてたのかも? だからこそ、変な影響を受けてるのかも……それに……だ。
 
 あの模様だ。上半身の殆どにある螺旋の様な模様……あれはただの模様じゃない。それに……私のデータに残ってる姿にはあんな模様はない。あれは縛りだ。鎖といってもいい。あれはこの世界に縛られてる。
 
「ふん!」
 
 私は近くにやってきた。髪の毛を銃を振るうことで追い返す。けどこんな事をやってると撃つという銃本来の役目を果たせない。これでは持ってる意味がない。だって打ち付けるのなら、もっと適切な武器がある。少なくともこれじゃない。むしろ振り回しづらいし。勇者はもっと大きな両手を請け負ってる。奴の腕は特殊で、下手に避けるって事ができない。
 前の切り落とした腕はそこまでじゃなかった。けど今は避けることを許さない様になってる。上半身が全部出てるから、きっとその身の力が十分に発揮出てきてるんだろう。
 あの扉は空間や時間もきっと隔ててる。だからこそ、一部分ではその力を発揮する事ができなかったんだと私は分析する。でも上半身があれば、問題はないってことだ。
 
「フォートレス・展開」
 
 私はそうつぶやく。すると空間から、2つの盾がやってきた。盾といっても金属製のホームベースみたいな形をしてる一般的な盾ではない。完全自立型の便利な盾である。鋭利な三角形の形に、中心には宝石の様な石がハマってる。そして中心部分が白く、周囲は青い。そして飛んでる間中、その青い部分からカーテンの様にゆらめく光を展開しつつ、くるくると自転してる。
 
 私はどっしりと構えた。そして髪の毛の猛攻をフォートレスにまかせて、無数の髪の毛にロックオンをする。そして引き金を引いた。

ある日、超能力が目覚めた件 410P

(俺は何を!?)
 
 いまさっきついた言葉が信じられないように桶狭間忠国は口を抑えた。まるで自然に、いや……そう言うべきであるかのように、勝手に「そうか」と口に出してしまってた。
 桶狭間忠国の視界にはまだ困ってる女性が写ってるというのに……だ。それは彼には信じられないことだった。
 
(今の……それがこの女の『力』か……)
 
 桶狭間忠国は何かおかしい『力』があると理解してる。野々野足軽は何も詳細には語ってくれない。だが、あれはきっと『神』的な何かだとおもってる。だからこそ、そういう存在が存在してると桶狭間忠国は認識してる。
 そしてこの眼の前の妖艶な女性……この人にも桶狭間忠国は不思議な力がある――と確信した。
 
「どうしたんですか? ここは大丈夫なんですよ。さあ、お仕事に戻ってください」
 
 耳に自然と入ってくる……そんな声。優しい声音……一見すると、何も問題なんて無いように思える。
 
(はっ!?)
 
 桶狭間忠国は気付いた。それは周囲の変化だ。さっきまでこの二人のやり取りに皆が注目してた。揉めてたようだったから、心配してたんだろう。だからこそ、桶狭間忠国も気づいた。けど今はどうだ? 今の彼女の言葉がきっかけだろうか? 誰ももう足を止めてない。いつもの駅前の風景に戻ってる。何も状況的には変わってないのに……これは……
 
(きっとあの存在は意識を操れる! ヤバいな……だがどうして俺はそれに気づいた?)
 
 そこで「ふっ」と桶狭間忠国は笑った。確信したからだ。
 
「神よ、我を見守ってくださってるのですね」
「「はい?」」
 
 朝倉先輩もそうだけど、悪魔の女性も同じ様に言葉を出した。なにせいきなり現れた大男が「神」へとなんか言ってるのだ。それはこういう反応にもなる。そもそも見た目だけなら完璧に神に反抗してる格好である。そんなやつからまさかの「神」という言葉……ミスマッチ過ぎた。
 
「あんたの力は俺には効かない!」
 
 そんな風に桶狭間忠国は悪魔が宿った女性に啖呵を切る。それを聞いて朝倉先輩は「力?」とか疑問を浮かべてるが、まっすぐに見られてそれを言われた悪魔は鋭い目を桶狭間忠国へと向けている。
 カチンと来たのかもしれない。
 
「まったく、なんのことでしょう……か」
 
 ゆっくりとそんな言葉つぶやきながら、悪魔の女性は一度目を閉じる。そしてもう一度開けると、その目が明らかにさっきまでの目ではなかった。白目まで赤くなって、瞳孔が猫のように細く、そして金色になってる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1049

「はああああああああああああああああああああ!」
 
 再び聖剣を振り下ろす。さっき確かに扉の化け物の腕を切った実績がある。だから頭だって潰せるはずだ。なんとかアイは耐えてるが、ジリジリと押し負けてる。けどお陰でこっちに意識を持ってくる余裕はないようだ。行ける!! 頭にむかって突き出す聖剣。
 そして確かに化け物の頭に突き刺さった。けどそれだけじゃ終わらない。突き刺さった聖剣はヤツの頭の中で回転しだす。そしてそのまま腕をふるって、頭を木っ端微塵に粉砕した。
 
バッガーーーーン!!
 
 とまるで内部から爆発したように化物の頭は吹き飛んだ。それと同時に化物が放ってた攻撃もきえてその破片をアイの砲撃が塵芥へとかえる。頭は消えた。そして腕もなくなったことで、扉から出てた九割の部分がなくなったと言える。普通ならここまでしたら勝っただろう。
 勝どきを上げても問題ないくらいだ。けど、そうは思えなかった。なぜなら、地上で交戦してる化け物の腕から発生したナニカ……はまだ健在だったからだ。本体がやられても自立して行動できる存在なのか? それならまだいい。けどそうじゃなく本体がまだ健在だからあのナニカも生きてるのだとしたら? 
 
「アイ!」
「ええ、すべて滅します」
 
 同じ思いを俺達は共有してた。九割滅しても終わり何ておもってない。すべてを消し炭にして、あの扉を力尽くでも閉める。それによってこの戦いは終われるだろう。せめてこの状況を改善できるとしたらそれをやるしか無いと思ってる。本当ならあの扉は入るための扉の筈だ。楽園へと続くと言われてる扉なんだから、そのはずだろう。
 けどその扉から化け物が出てる。それはおかしなことだろう。だからこそ一度閉める。それをしたら後は……そう思って自分はG-01殿をみる。そう、きっと閉めたら、G-01殿があの扉をちゃんと元に戻してくれるだろう。
 だから今残ってる肩から首の部分、そこも滅して扉を閉める。なにせその部分は邪魔だ。扉から出てる部分をなくして、扉を無理矢理閉めるために肩にも首にも剣をいれて、そしてアイの砲撃によって穴だらけにもしてもらう。少しずつ自分たちは 化け物の身を削る。
 
 けどその時、扉の向こうから淵を掴むように指が見えた。きっと反対側の指だ。やっぱり生きてるらしい。でも出させない。今の聖剣なら指の一本や二本くらい簡単に切れる。
 
「出させるかああああああ!!」
 
 そうやって指を切ってアイが消滅させる。そして自分は扉の片側に手をかけた。
 
「アイ!」
「はいはい」
 
 空の扉はでかい。そしてこちら側に開いてる両開きの扉だ。なので体全体を使って押し閉める為に、反対側をアイに任せる。一緒に押していってもう少し……というところだった。
 その時――
 
『お、い』
 
 そんな声というか、音というか……そんなのが聞こえた。そして次の瞬間、扉の向こう側から野太い光……黒い光が飛び出して自分たちは吹き飛ばされる。そして一気にさっき切り刻んだはずの化け物の上半身……そのすべてが姿を表した。

ある日、超能力が目覚めた件 409P

「何をしてる? 嫌がってるじゃないか!」
 
 救世主……そんなのは意図して現れるものじゃない。そう……まさに運命の様にそこに……その場に導かれてるような……そんな存在なのかもしれない。そいつは大きかった。
 周囲の大人たちよりも一回り……いや二回りくらい横にも縦にも大きい。休みなのに学ランの様な服に身を包んで、けどその袖は破り捨てられてる様にギザギザ。それになぜか足元は下駄で頭にはハチマキといったどこぞの応援団みたいな格好をしてる。
 はっきり言って関わり合いたくない人間……でしかない。けど今やこの街にはこのくらいの変態は多い。むしろこのくらいは序の口である。なのでそんなで驚く人はいない。けどそれに慣れてしまったからこそ、朝倉先輩たちにもなかなか声をかけなかった……というのはあるかもしれない。
 
「うるさい」
 
 つまらなそうに、悪魔が宿った女性が声をかけてきたそいつをみた。彼は桶狭間忠国……その筋肉が特徴的な心優しい男子である。彼は変な集団を率いて、この街の治安を守るような……そんな活動をしてた。
 だからこそ、困ってそうな彼女を見捨てることができなかったのだろう。桶狭間忠国はなるべく穏便に……と思って声をかけた。きっと同じ学校の先輩だと言うことにはきづいてない。なにせ朝倉先輩は制服をきてない。最初に声を荒げたのは、まずは意識を自分に向けさせるためだ。
 その後は二人の間に入って話を聞こう……と思ってた。けど……悪魔の宿った女性の目は怪しく光る。相手はか弱い女性である。それがたとえ成人した女性であっても、2メートルを超えてる桶狭間忠国とは大層な格差がある。普通ならいきなりそんな大男から声をかけられたら、女性なら誰であっても怖がるものだろう。
 けど悪魔が宿った女性はそんなことない。それをすぐに桶狭間忠国は察した。彼の危機感知の感覚が鋭く警告をならす。それは彼がこれまで鍛え上げてきた肉体と共に獲得してきた精神。
 武道を通じて鋭い感覚を彼は磨いてきた。だからこそその女がただの女性ではない……とわかった。異様な圧力……それを感じる。
 
(これは……)
 
 でも何をされるのか、出来るのか……それはわからない。それに下手に桶狭間忠国が手を出すわけにはいかない。なにせ桶狭間忠国の体は鍛え上げられた鋼といっていい肉体だ。それに対して二人の女性はとても華奢だ。これが脂肪でもついて横とかに太かったら、まだ簡単に掴むとかできたかもしれない。それでも問題にはなるだろうが……それでもちょっとやそっとでは折れないとは思えた。
 でも桶狭間忠国が割って入った二人の女性はどちらもとても細かった。桶狭間忠国からみたらどっちの体もまさに小枝のようだ。下手に体を抑えるなんてできないし、ちょっと触れただけでもポキっと折れそうと思えるほど。
 だからこそとりあえず二人の間に……それだけでも抑制にはなるとの判断だ。でも……
 
「うっ……」
 
 視界が霞むような目眩。そして頭に入ってくるなんらかの思考。それが桶狭間忠国に語ってる――
 
『ここは大丈夫』
 
 ――と。そしてなぜか口から「そうか」とついて出てた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1048

「何だあれは?」
「よそ見してる暇はないですよ。まずいのが来ます」
 
 アイがそんな事をいってくる。確かにそうだな。アレはまずい。今は腕を切って、そしてやつの主要な攻撃手段だった髪も大半を同時に切ったことで、扉から出ようとしてる化け物の攻撃手段は大きく減ってる。
 でもそのくらいで止まる存在ではなかった。そいつのポッカリと空いた口……そこに強大なエネルギーか集まってる。それも今まで感じたことがないくらいの量であり……質だ。
 あんなのが放たれたら最悪世界が崩壊する。それでもいいとあの存在は思ってるのか? それはつまり、この世界の役目はおわったということだろうか? わからないけど、迷ってる時間はない。腕から発生した化け物も気になるが、それよりも自分たちはこっちだろう。
 地上の方は地上の者たちに任せるしか無い。G-01殿が動けない今、これを抑えることが出来るのは我々しかいない。少なくともあれを撃たせるわけには行かない。
 
「チャージ率120%。撃ちます!」
 
 そういってアイは自身よりもかなり大きなその銃から特大の光を放つ。それはこれまでよりもより強く……そして自分が見た中では一番太い光だった。そしてそれが化け物の口に収束してる光へとぶつかった。
 これで暴発してくれれば……あわよくばヤツ自身を倒せるかもしれない。けど……どうやらそんなに上手くはいかないらしい。そんな安々と倒されてはくれないってことだ。
 
 どうやらあの扉の化け物はぶつかる直前で向こうもそれを放ったらしい。それによって、なんとか口内ではなくその外で拮抗することができたらしい。
 
「っ……」
 
 アイが苦しげに歯を噛む。それもそうだろう。最初はそれこそ後一歩だった。あと一歩でヤツの頭を吹き飛ばすことが出来る……そんな位置だった。けど化け物の放った光線は一気に大きくなった。それによってアイ嬢が放った光線を押し戻してる。
 まさかアレだけの攻撃を、あそこから押し返すなんて……
 
「いや、まだだ!」
 
 そうだ。まだ! 自分がいる。すでに髪もまともに機能してない。そして腕は言わずもがな……光線はアイ嬢が引き受けてくれてる。なら自分がやるのは何か。最大の攻撃を無防備な奴へと叩き込む! そういこうことだろう。全力全開だ。ここで足し惜しみなんてしない!!
 
 聖剣と心を通わせ、そして自身の中のノアにも力をださせる。新たな形態を取り出す聖剣。自分は化け物の頭上からそれを振り下ろす為に動く。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1047

「なあ、俺達って……」
 
 だれかがそんな事を言おうとしてた。けどその言葉は最後まで紡がれることはなかった。なにせ……
 
「やめろ! 俺達にだってできることはある。それにまだ、戦いは終わってないんだ! 気を緩めるな!」
 
 激が飛ぶ。皆は一時的に勝利の高揚を味わった。けどまだおわってはないらしい。たしかに俺達は長年俺達を食い物にしてきた教会には勝った。けどそれでも違った。
 教会にとっては死は終わりじゃなかった。奴らはここに来た時点でその覚悟を決めてたようだ。奴らはみな、楽園への通行券を得てるみたいなことをいってた。だから死ぬことにもうおそれはない……まあそれでも震えてた印象が彼らにはある。実際ただ静かに自分が殺されるのを待つなんてできようか? となったらできないだろう。
 ここにいる死を覚悟したも者たちだってそうだ。たとえ今は、ミレナパウスとかいう魔女のお陰で死は限りなく遠いものになってる。だから積極的な行動ができるが、でもだからとっていって痛いものは痛いし……怖いものは怖いのだ。それに注意喚起として頭とか心の臓とかは守れと通達が来てた。
 
 流石に即死はどうしようもない……ということだ。けど、それ以外なら、魔法は何でも直してくれる。絶対に治る……即死さえ避ければいい……とわかってはいても、その瞬間に恐怖はどうしても顔をのぞかせる。
 それはきっと生きているものが抱えてる根源的な恐怖なんだろう。死への恐怖……それは,きっと生きてる限り絶対になくなることはない。
 
「どうやら、我らの出番もまだあるようだ……」
 
 なにせさっきから勇者殿やそれに付き従ってるアイ殿の戦闘には我々は加わる事なんてできなかった。なんとか役に立とう……と思っても、空の扉から伸びてる腕には我々ではどうしても届かない。せめてあの手が砂についた時くらい。
 
 その時に一斉に突撃をして武器で傷つけるってことしかできなかった。あの扉から出てきた髪も最初はすべての者にむかってたが、今や勇者殿とアイ殿にほぼむかってる。
 あの二人しか脅威になりえないと扉から出ようとしてる化け物は判断したのかもしれない。
 
 事実、勇者殿は化け物の腕を切り落とした。自身の何十倍も太いその腕を……だ。それにきっとただでかいだけ……なんてことはないだろう。けど切った。そしてそれが落ちた振動に我々はてんやわんやした。あれだけでかいからしかたない。けど負傷書はいなかった。
 ――が、何やら落ちた腕がモゾモゾとうごめいてた。そしてそこから、何かが大量に這い出てくる。砂銃……じゃない。あれは一体?

ある日、超能力が目覚めた件 408P

 山田先輩は期待できない。まったくイケメンの癖に……と思わず思ってしまう野々野足軽である。山田先輩は全く持って全然悪くなんてないんだけど、山田先輩を朝倉先輩の救出に向かわせることが出来ないとなるとどうするか……頭を悩ませる野々野足軽だ。
 
(ここで一気に悪魔を消滅……はないな)
 
 野々野足軽ならできなくはない。確実に出来るだろう。けど、その選択肢は今はないみたいだ。なにせあれは悪魔だけど、別に悪魔が人間の姿に変身してる……というわけじゃない。悪魔には肉体はない。魂というか心の隙間に入り込んで、取り付いてる女性を意のままに操ってるのだ。一体どれくらい悪魔に取り憑かれてるのかは野々野足軽にはわからない。
 けど、野々野足軽は結構長い期間悪魔はあの女性に取り付いてるんじゃないのか? と考えてた。なにせだ。なにせその境界線がよくわからない。実際はあんなのは初めてだからよくわからないが、試してみたことがある。それはアースである。アースも悪魔と同じようなことが出来るんじゃないのか? と聞くと「出来ますよ」と言ってのけた。
 でもそれは疑問でも何でもない。そもそもアースだってあれには肉体はないのだ。いうなればアースの肉体はこの星『地球』である。悪魔までも内包してる、この世界そのもの。なら大抵のことはできるだろうと野々野足軽は思った。出来るといったアースは悪魔がやってるように野々野足軽へと入ってきた。いつもはそれこそ思考をつないで思考のやりとりで会話をしてる二人である。実際普段とそんなに変わることはなかった。ただ、体内に変な違和感? がある感じだった。
 
 けどそれは明確に知覚できるもので、野々野足軽は力を使えばもっとよりはっきりと、それこそ野々野足軽は自分自身とアースという異物を判断することが出来た。それは難しくなかったと記憶してる。けどあの悪魔はどうだ? 
 
(かなり混ざり合ってる……)
 
 そうなのだ。ぱっと見では力を使って強化した視界でさえ、悪魔と取り憑かれた女性を見分けることができない。それはつまりはかなりの長さ、あの女性は悪魔に取り憑かれてるってことだ。アースも言ってた。
 
『貴方は大丈夫でしょうが、こういう自身の内に他者を入れるのは気を付けた方がいいです。時間が経ちすぎると、混ざり合ってしまうかもしれませんから』
 
 ――つまりは、あの女性はすでにそうなってるってことだと野々野足軽は思ってる。今無理矢理にでも野々野足軽が悪魔を消滅させたら……境目がわからないんだから、取り憑かれた女性の部分も消してしまう可能性がある。そうなると、その人が助かるかどうか、それは賭けのようなことになってしまうんだ。それは流石に出来ないと野々野足軽は判断してる。