私は走る。まあ私が走るわけではなくて、実際に走ってのるはG-01だけど……今は調子がいい。私の調子はだいたいG-01に左右されると言っても過言ではない。私は女性の体をしてるが……実際、女性の機能を持ってるのかは不透明なところだ。月の物が来てる自覚はないし、女性にはよくあるとされる便秘とかには縁がない。
なぜなら私は固形物を取ってないからってのもあると思う。まあ穴はあるけどね。普通の人間のようにちゃんとある。だから時折は……そうやってストレスと言うものを発散したりしてるわけだけど、ずっとこの場所から出られないって本来なら、相当なストレスが掛かるように思う。
でもなんかそうでもないのは私が人間ではなく、そういう風に作られているからって考えもできる。でも実際、どうして自分はこういう感じなんだろうって……そんな風に思う。
こういう感じってのは、なんで私は人形をしてるのか……ということである。だって……だよ? だってだって、ただG-01を動かすだけの存在が欲しかったのであれば、それこそアイのようなAIでいいじゃん。そっちのほうがよっぽど効率的だと思う。
なにせAIなら私のように疲れないし、そもそもがこういうコクピット的な概念が必要ない。物理的なスペースの問題だってある。この場所を潰すことで、G-01に詰める武器やら、なにかの部品やら……あるとも思う。
私には分かんないが……それにG-01には私の生命維持をするために少なくないエネルギーとその為のの設備に機能が割かれてる部分はあるんだ。それだけの価値が、私に……いやプチュオクミという存在にあるのか。
「でも、あるって判断してるから、私のような存在をG-01に繋いでるわけだよね」
効率で言ったら、絶対に超高性能なAIを作ってそれに任せた方がいい。実際、もしかしたらだけど、私がその超高性能AI――という可能性がないわけでもないけどね。それにしては私の頭、あんまり良くないが。
私は久々の形態変化をしてみることにした。実は私のG-01も形態変化ができる。まあ外装を生みだしてロケットの様になるだけだが……最初に得た形態変化で、それ以降は形態変化の枝葉は無視してるからね。
なにせG-01の基礎部分に今は手を入れているからだ。でもこれはそう思う前にとっさに取ったからね。色々と基礎性能自体が向上してる今のG-01なら、この飛翔形態? いやロケット形態? とも言うべき形態の操作性とかも向上してるかもしれない。
いや、してて欲しい。これは願望だ。なにせ今のままでは簡単に使えないし……そう思いつつ、私はレッツ、形態変化を実行したよ。