uenoutaの日記

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 834

 龍の願いを受け取って、私はこの世界を支えるための装置を作った。そしてまずはその装置で何をするのか。それは簡単。なんか勇者にやられた黄金の鬼がそのエネルギーを暴走させようとしてる。

 

「もったいない」

 

 鬼のエネルギーと奴が奪った龍のエネルギー。このまま暴走してしまったら、この世界も危ないし、私以外にはどうすることもできないだろう。

 なのでさっそくそれをいただくことにした。もちろん私が……ではない。黄金の鬼の最後のエネルギーを新たに龍の代わりに稼働し始めた装置に流すことによって、世界の救済と延命……二つを同時に行えるという一挙両得な算段だ。

 私は気づくとコクピットの中へと戻ってた。コクピット内ではエマージェンシーが鳴り響いてる。どうやら時間はあんまり経ってない。というかほぼ経ってない。だって私があの空間に呼び出されたというか、龍からの干渉を受けたときには勇者が丁度黄金の鬼を倒したところだった。そしてそこで鬼のエネルギーが暴走しそう――というところだった筈だ。実際、あのあと一分もまだ経ってない。

 でもあの出会いは妄想ではない。なにせ私の目の前にはその装置がある。どうやらかなり深い砂を潜ってたらしい。私が作り出したそれは銀色のひし形をしてる。そしてゆっくりと回ってる。砂をそのエネルギーで押しやって、動くスペースを確保してる。まあ動くといっても、その場でクルクルまわってるだけだ。

 これが龍の代わりの新たな明を支える存在だ。けどまだ完全稼働をしてるわけじゃない。黄金の鬼、そのエネルギーを得ることで完成する。そして鬼のエネルギーにはいろいろと情報だってあるだろう。やっぱりその肉体を調べるのが一番だが、エネルギーには残滓として残ってるものはある。

 だからこの黄金の鬼のすべてのエネルギーが解放されるこの爆発を取り込めば、鬼の……いや黄金になった理由とかも全てじゃなくても、わかればいいなって。それなら教会が何をやったのか、ちょっとはわかるかもしれない。

 

キィィィィィィィィィィィン

 

 そんな音が聞こえる。ひし形の上下がスムーズに動いて開いた。そこからなにやらぶよぶよが出てきた。そういうところまでちゃんと引き継いだらしい。そしてそのぶよぶよの先端が空間を通してきえていく。それがどこに行ったか、見なくてもわかる。でもまあ見るけど。外にいるドローンを使って、私はそれを確認した。空間を超えてぶよぶよがエネルギーが暴走する所へと近づく。そしてそのまま、その黄金の鬼のエネルギーを吸引して装置へとながす。それによって、装置が本稼働にはいった。これによって、崩壊しかけて世界が安定を取り戻すことだろう。

 めでたしめでたし……だ。