「ほらほらーここだよーここを攻撃する方がいいよー」
と私は一人でコクピット内でそんなことを言いつつ応援してる。けど……ザンサンシャカレの兵士達は皆全然気づいてくれない。
「諦めるな!! 絶対に倒せる!! 通ってるぞ! ――ぶっ!?」
せっかく声を出して何回もでっかくなった教会の奴に攻撃を加えてた人が巨木程にある腕に薙ぎ払われた。なんとか形を保ってるが、上半身バキバキだし、即死じゃないだけ辛そうである。彼は殴られた勢いのままに、櫓の外側へと流れていく。ザンサンシャカレの兵士達はそれに気をやらない。もうみんな助かってないと思ってるんだろう。けど一応まだ死んではない。
私はドローン越しに心拍を常にモニタリングしてるからね。そこらへんわかる。それに生きてる……とわかってるのに見捨てるのはさすがに目覚めが悪い。
なので私はその吹っ飛ばされた人をドローンで地面に落ちる前にキャッチしてあげた。すると――
バキバキバキバキ
――って嫌な音が彼から聞こえた。
「やばっ」
とりあえず私はドローンから細い注射を出して、それをプスッとさす。さらに管を色々と寸胴な体の下七分の二位の位置が上下に開いてそこからだして次から次へとさしていく。
まずは痛み止めだった。さらに次に刺したのはとりあえず体に体力を戻すような……そんな薬である。そしてとりあえず体をピーンとさせる薬。そして次に体をあえて硬直させる薬を打った。これは体が変な感じに治らないためである。骨が変な感じでくっついたりしたらかわいそうじゃん。だからだ。
そして次に自己再生力を上げる薬を三つくらい打ってあげた。この世界の人たちはもとから頑丈だ。そして元から自己治癒力も高い。まあだからってさすがになくなった腕とかが生えるって程ではないが、それでも切り離された先が残ってたら、あてがってたらくっつくくらいの芸当はできるようになる薬である。
とりあえずドローンで応急処置はしたし、彼はアズバインバカラの兵士たちの方へと運んでおいた。実は落ちた人たちはそっちに運んでる。生きてたら……だけどね。死んでたら身分がわかるものだけを一応回収してる。
それだけでもきっとかなりありがたいはずだ。
「でもこのままじゃ……」
負けてしまう。せっかく私がでっかくなった教会の奴の弱点……とまでは言えないが、狙うならここ――って部分を示してるのに……私的にはとてももどかしい。けどかといって……私はしゃべれない設定なのだ。
どうしたら? どうしたらいい?
「こうなったら……」
私はある程度ドローンも集合してきたし、ドローンを惜しげもなく使うことにした。