『どういうことでしょうか? それはつまり、私に教会につけと……そういうことですか?』
私は目隠しの聖女の思惑がわかんなくて、普通にストレートに返した。するとなんか彼女から予想外の返答が返ってきた。
「貴方様は……女性なのですか?」
『ああ……』
なるほどね。やっぱりG-01へと話しかけたら、そこに応答するのは勇者とかかときっと彼女は思ってた。なにせ世間では私……G-01はただの使役されてる者って感じだからね。まあ流石にアズバインバカラの人達はG-01にも意思がある……とわかってきてるとは思う。流石にそこに私のようなかわいい少女が居るとは思ってないと思うけどね。
さて、どうするか? 別に自己紹介してもいいが……ここはAI的なことにしておこうかな?
『私はサポートをしてるものですよ。何か要件があるのなら聞きましょう』
「わかりました。そういう事にしておきましょう」
え? そういうことに……って、何か目隠しの聖女は勘づいてる? いや、でもそれは何にって事になる。もしかしたら勇者とか、異世界から来た者たちのトップは実は……という感じに目隠しの聖女は思ってる? そしてそれが今、こうやって話してる『私』じゃないか? とか……もしかしたら思ってるのかもしれない。
まあはっきり言わなかったからわかんないが……けど私がはっきりさせてしまっては彼女の気遣いが無駄になってしまう。だから私もそういう事――と言う事で話を進めることにした。
「では改めて……私と手を組んでくれませんか? この提案に教会は関与しておりません」
『それは……こちら側にあなたは来たいと……そういう事でしょうか?』
教会と関係なく、つまりは彼女、目隠しの聖女さんは私たちと手を組みたいと……そういった。それだけだけど、つまりはこっちに来たいってこと……は教会を裏切りたいと同義である。
それを簡単に信じられるか? といえば、それは無理だ。だって教会は特権を駆使して、この世界でやりたいようにやってきたはず。そしてこの人はきっと教会でもそこそこの立場のはず。そんな気がする。
となると、いい暮らしをしてたと思う。それを捨てる? 本当に? って思う。
「具体的には、私はそちら側に行きたいのであって、この世界の反対勢力に行きたいわけではないですよ」
そういって「ふふっ」とちょっとした笑みを見せてくれた彼女。何がおかしいのかってのもあるけど、それよりも私は彼女の発言をかみ砕くことで「え?」って思ってた。
だって目隠しの聖女はこっちに……この世界の勢力ではなく、私たち、異世界からやってきた私たちの仲間に入りたいってこと……だよね!?
いったいなぜ?