uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 312P

ざわざわーーざわざわーーざわざわ

 

 注目されてる二人がいる。すれ違ったら100%中、100%が振り向いたり、二度見したりする様な、そんな二人だ。まず注目するのは女性の方だろう。単純にその女性は綺麗だった。セミロングの髪はサラサラで天使の輪が出来てる。それにスタイルも良い。女性として、大きすぎる……というわけでもなく、かと言って極端に小さい訳でもない。なのにそのスタイルの良さは誰がみても明らかである。脚を魅せるようなスカートも男たちの視線を注がせるのに一役買ってるのはまちがいない。

 シミ一つ無い肌も整った目鼻立ちも、そしてそれに見合った落ち着いた雰囲気も、きっと異性が思い描く理想を体現してる。これで「ギャハハハ」とか笑ってたら百パーセントの好意だけを向けられる……なんて事はなかっただろう。

 

 少なくとも「うるさい」と思う人が居てもおかしくなかった。でも実際は、彼女はいそいそ? しずしず? と男性の後ろを歩いてる。今や古くなったであろう女性は男性の三歩後ろを歩くもの――とかいう時代錯誤的な様子。でもそれは別に男性が女性を下に見てるとかではなかったはずだ。男性は女性を守るために前を歩いてたはずだし、女性の道を先に開いて安心安全を確保しようとしてたはずだ。

 女性も何も男性に付き従うから後ろにいたわけじゃないだろう。きっと男性が疲れたらその背中を支えたりするためだったはず。それに女性にはそれだけの役割じゃない。

 きっと今は二人だけど、女性の手には小さな命がつながったりしてるのだ。そんなふうに、きっと恋人は家族になって、子供は女性の後ろに続いてく。それがきっと家族の姿。

 

 そんな有り様だったはずだ。確かに今は後ろにいるよりも、女性も男性の横に……なんなら前にだって出ようとする人がおおくなっただろう。でもだからって男性を立てない事が蔑まれるようになったわけじゃない。それに女性も男性を蔑ろになったわけでもないだろう。

 ただ単に、男女平等が進んだだけ。それだけでその姿に美を見出さなくなったわけじゃない。それに日本人にはそんな姿に憧憬を抱くような遺伝子が有ったりするのかもしれない。

 それだけその女性は周囲には魅力的に見えてた。勿論彼女だけじゃない注目を集めてるのは一緒にいる男性もそうだ。

 

 周囲が注目するのは男性側は一点だけ。筋肉がムキムキで服が弾けそう――とかじゃない。じゃあとても見目麗しい見た目のイケメン……ってわけでもない。身長が飛び抜けて高くてスタイルが抜群……ってわけでもない。

 じゃあ何故にそんなに注目されてるのか。それは連れてる女性に対してのアンバランスさ? いやそれもあるかもしれない。「なんで?」という空気は確かに周囲に漂ってた。

 けどそれよりも……それよりももっと深刻な問題は顕著に有った。そうそれは周囲の人達が満場一致でこう思ってることだ。

 

『『『なんで変な仮面つけてるんだ?』』』