uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1026

 でっかい聖騎士の分身のような奴の真っ先に来た一体。どうやらこれはただの分身ではないらしい。それを瞬時に見破って向かってくる剣にこちらの聖剣を合わせる。分身のくせにやけに眩しい剣がむかってくる。けど冷静に……力で押し切ろうとしてくるこいつに対して、自分はまずは切っ先を当てる。そのときには既に別方向から来てる別の分身が見えてた。
 ぶつかった剣を切り返して受け流す。そしてそのままの勢いで態勢を変えて次の聖騎士を切る。更にもう一体には蹴りをお見舞いして、受け流してたやつにも聖剣で切りつけた。背後から迫った剣。それを交わして背後から襲ってきた更に別の分身の胴体を切り裂く。
 
(本命は……)
 
 分身にただ襲わせておしまい……なわけはない。きっと本体がここぞというタイミングを狙ってるだろう。そんな事を思ってると、真上から光の矢のように本体のでっかい聖騎士が迫ってきてた。とりあえずこれで分身は片付けた。最後のやつの首を飛ばして、こっちも待つのでは上に上がる。すると何やら聞こえてきた。
 
「なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだああああああああ! そんな出がらしのような剣でなぜだあああああああああああああああああああ!!」
 
 そんなふうにでっかい聖騎士は叫んでる。どうやら自分に分身があっという間にやられたのが信じられないらしい。なにせ向こうは光り輝いてる。それはまさに力の大きさを示してるんだろう。それに対してこっちはそんな光なんて一切なかった。そんな相手に負けるわけはない。そう思ってたんだろう。でもちょっとでもちゃんと調べればわかるはず。
 この聖騎士だって魔法を使えるのだから、相手の残存魔力を調べることくらいできるだろうに……それをやろうともしない。確かに光り輝くのは力を示す上では有効だろう。でも、こいつらのは未熟だ。ただただ誇示してるだけの力。発散してるだけの力。自分から見たら無駄になってるエネルギーが多い。一つの方向に力が定まってない。
 だからこそ――
 
「もっとその目をよく開いて見ることだな」
 
 ――そう言って自分たちは交差した。一瞬の出来事。でっかい聖騎士は「この!」とかいって旋回しようとする。けど……グラッと体が傾く――
 
「なっ……に?」
 
 自分は聖騎士を見下げてる。そしてそんな自分にむかって、剣を伸ばそうとするがでっかい聖騎士は態勢を立て直すことは出来なくて落ちていく。
 
「そんな馬鹿……な……」
 
 光の剣は消えて、翼が弾ける。そして無理に高めてたのだろう力がその制御を失いつつあるのか、聖騎士の鎧にヒビが入っていき、そこから力が溢れ出す。
 
「こんな……こんなことがあってたまるかああああああああああああああああ!!」
 
 そんな叫びとともに、でっかい聖騎士は爆発した。