uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 963

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
「「「ヤレヤレヤレヤレヤレヤレえええええええええええええええ!!」」」
 
 変な手足に群がってる砂獣たちに向かって、皆が一斉にその武器を振るった。いや今も振るいつづけてる。本当なら一刀両断出来るはず。それなのに、皆の動きは止まらない。
 まあそれだけ群がってる奴らが多いってことなんだが……それだけじゃない。
 
「回復……してるぞ!!」
 
 そうなのだ。どうやら砂獣たちは切られた傍からその傷を回復させてる。なので攻撃が意味がない。それならば……とその体を登って頭を狙ったりとかしてたりもする。でも反応はない。今までなら、体を切ったりしたらそれこそ不快な悲鳴を砂獣は上げてた。
 でもそれもない。ただ手足をひたすらに貪り食う……それが今の奴ら。そしてそいつらにはどこを攻撃してもどこ吹く風だ。頭を勝ち割ってもそれが止まることはない。頭から胴体を真っ二つにしたとしても、死ぬことはなく、すぐにくっついてた。
 
「なっ……なんだよこれ……」
「どうしたら……」
 
そんな感じでこっちの兵士たちがどうしたらいいのか分かってない状態でいると、教会の奴らが変な事をやりだした。生き残ってる教会の奴らがダメージを追った奴らの元へと駆けつけてる。
 
 まさか治療を? とか観察してた私は思った。だって教会だよ? 奴らが治療なんて人間的な行動をとるだろうか? と疑問に思うのは何もおかしなことではない。だって教会だし。奴らには人権なんて概念はない。
 
 彼らは複数人で苦しんでる同胞を囲む。そして魔法をかけてる。本当に治療をしてるのかもしれないと思った。実際、さっきまで苦しんでたやつが立ち上がった。けどその姿は治療したというにはあまりにも異常だった。
 
 まず、肌が人間の肌色じゃない。なんか紫色になってる。一応傷はふさがってるが、なんか傷ついてる所はブクブクとした水風船がくっついてるだけ……みたいな? 感じだし、目は充血して真っ赤……さらにさらに……決定的なのは、なんか頭には杭が刺さってた。
 
 そしてその紫色になった教会の奴は走り出した。どこへか? それは群がってる砂獣の所へと走ってる。
 
「うわ!?」
「なんだ?」
 
 そして紫色になってる教会の奴はこちら側の兵士へも無関心だった。そいつは砂獣の中に入っていき……そして大きく口を開く。あとはもう、皆が思った通り。
 そいつは砂獣と共に、空から落ちて来た手足を貪り始めた。それと同時だったのはたまたまなのか……一つ……また一つと砂獣がそこから離れる。
 するとその砂獣の外郭にヒビがはいっていく。そして色が褪せていく中、その中から、新たな何かが、生み出ようとしてるようだった。