uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力に目覚めた件 81P

「君って、野乃野足軽……君だよね?」

 

 異様な雰囲気を放ってる桶狭間忠国。実際彼は自身はそんな事を思ってなんて居ないかもしれない。でも実際彼が廊下に居るだけでそのスペースの半分を専有してしまうほどには存在感があるわけで……その体の大きさなのにまるで陰キャの様に分厚い眼鏡をして、そして猫背なのが逆に変な感じなんだ。

 

「そうだけど……君は?」

 

 知ってるけど……ここで下手にしってるなんてするよりも、ちゃんと初対面感を出してたほうがいいかなって思った野乃野足軽だ。それに実際、どうやって接触するか……それを悩んでた。野乃野足軽はそんな気軽に誰かに声をかけられるようなタイプの人間ではない。

 だからどうするか……ってずっと悩んでたわけだ。しっぽを出してくれたらいいが……直接なにか……をしてるわけじゃない。いや、机や下駄箱に直接手紙を置いてるのは十分問い詰めるのには十分なのかもしれないが、それでも白を着られる可能性がないわけじゃない。

 それにやっぱり……こうやって対面して思う。

 

(出来るならやり合いたくないな……)

(力があるのですから、負けるなんてありえないのに……)

 

 頭の中でそんな事をアースが言ってくる。そんなのは野乃野足軽だってわかってる。だっていくら鍛えてたとしても、脳みそまでは鍛えることなんてできない。だから野乃野足軽が脳みそに直接声を……それこそ大音量を届けたらいくらなんでもこの桶狭間忠国だって白目をむいて倒れるだろう。

 そのまとった筋肉は意味を成さない。そのくらいのことはわかってる。けど……だからって怖くないわけじゃない。高校生でこれだけ鍛え抜いた奴を前にして、何もやってない野乃野足軽が普通にできるだろうか? いやできない。

 まあ流石に何もやってない……ってこともないけど。体力は全ての基本だからということで、最近はちゃんと体を鍛えたりしてる。昔ならそれこそ三日坊主だった。けど、そこに力の訓練も入れる事で、つづいてる。力様様である。

 けど、最近始めた野乃野足軽とは違って、桶狭間忠国のそれは完全に歴戦と呼べるべきものだ。その筋肉の密度……そして体の骨格まで……普通骨格はどうすることもできない。いくら体を鍛えたって、筋肉が付きづらい人とか、きれいに筋肉がつかないとか……そんなのあるときく。それは骨格のせいだったり体質だったりあるだろう。

 でも桶狭間忠国は昔からそれこそちゃんとした情報を得て、成長途中ということを最大限に生かして鍛えてきたんだろう……筋肉の付き方から、それを支える骨までとても力強い。骨の太さとかなんかおかしい……それが力があるから、力で桶狭間忠国を覆って少し探って見れば、野乃野足軽にはその情報が頭に浮かぶんだ。

 まるでステータス画面の様……流石に数字で現れたりはしないが……その服の下に隠れた筋肉やらなんやら、それこそ思考とかも読み取れる。この会話で野乃野足軽桶狭間忠国の本心をあわよくば知りたい……と思ってた。