「ふむ……どうやら内部からならこの隔たりは無いみたいだね」
私はG-01の中からでも内部を進んでる勇者たちの動向は常に把握できてる。だから三人+一体が私の位置を超えて行ったのもわかってた。私は船の塔の外部からまだ上にいけてない。なにせ不思議な断絶があるからだ。それをどうにかして越えようとしてる。G-01だってルートを選べば内部からいけるだろう。
そのくらい色んな船が重なってる。でも……だ。
「でもここで諦めたら、なんかG-01が負けたみたいだしね」
それはちょっと悔しい。だから私はまだここを頑張ってるのだ。一応色々と解析はできてきた。僅かな空間の歪み。狭間とも行って良いそれは、どうやらうすごーく薄くこの場所に張り巡らされてる。それに普通に見えたのでは絶対に気づかない。それほどに薄い。数ミリ程度だしね。
でもそれでも全てを飲みこんでれば光とかも入っていって明確に違いはでるだろう。でもそんなのはない。完璧に自然に溶け込んでる。これからわかるのはメタリファーは完璧にこの狭間を制御してるということだろう。
流石は時空間の番人といったところだろう。面目躍如といってもいい。なんの乱れもなく、切り裂いた空間を制御してるんだから、自然にできることなのかもしれない。メタリファーにとってはこんなのは別に大変な技術……とかでは全然ないのかも。
存在として時空間の操作技術があって、あの存在にはこれが普通にできること。私達がなんの意識もなく呼吸をするように、メタリファーにとってはこれもその程度の些事なのかもしれない。
てかそのくらいに思わないと納得できないというか? そういう存在……という方が納得感があるんだ。だって技術とかなら、やっぱりこのG-01を作った人たちが一番だと思いたいじゃん。
私が頼りにしてる……いや、しきってるG-01である。それが最高のロボットだと私は思いたいのだ。
「色々と解析はすすんだけど……さてどうしようかな……」
この時空間の狭間を通り抜けるすべは色々とある。
1、この狭間を一時的に閉じる。
これが一番最初に思いつくことだろう。だってこの数ミリの狭間が邪魔なんだ。それに数ミリならなんか簡単に閉じられそうじゃん? 実際はそんな簡単じゃない。
2、狭間を操作して、出る位置を元の位置じゃない場所にする。
次に私はそれを考えた。狭間のせいですすめないのだ。けどあの一瞬、この狭間はG-01を吸い込み、そしてここに戻してるのだ。ならば……その狭間を操作できれば、元の位置ではなく、超えた先……にでも出すことはできるんじゃないだろうか?
ということだ。