uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 678

「凄い……こんな事が……」

 

 市民たちの活躍をみて、心が折れていた軍の兵士の一人がそんな事つぶやく。これで戦闘訓練とかを受けてない……って言うのは言い過ぎか。こんな過酷な世界である。多分だけど男なら一度くらいは誰でも戦闘訓練を受けてはいるんじゃないだろうか? 

 だから誰もがそこそこ今は様になって戦ってる。最初はそれこそおっかなびっくりだったから腰が引けてたりしてたけど、今はしっかりと武器をもって、体全体を使うようにしてちゃと武器を使ってる。

 まあ勿論兵士とか賞金稼ぎの人達の様に日常的に戦ってる人達に比べたらそれはそれは拙い武器の扱いだと思う。でもそれでも武器の性能でなんとかなってる。それにまだやってくる砂獣を複数でボコれるように調整してるからね。

 でもかなりノリノリに市民の人達はなってきてる。それに最初に飛び出してきた人達以外にも、教会の建物の中から出てくる人もいる。その中には女性もいたよ。

 

「これがあれば私だって……」

 

 そんな事をいう彼女はかなり若い女の子だ。まだ10代半ばって感じの華奢な子である。胸を布で隠して、そして下の方は男たちが履いてるような脛まで有るゆったり目のズボンを履いてる。そして髪はショート。胸の布がなかったら男の子とでも勘違いされそうな子である。一応くびれも有るし、女性的な体つきの片鱗は見えるけどね。

 彼女はなるべく自分でも使いやすい様に短い剣を持ってきてる。それこそ刃渡り十センチくらいの奴を二本、両手に持ってる。どっちもなんか先端が二股に分かれてる波打った剣だ。

 

「大丈夫かな?」

 

 私はちょっと心配だ。武器の性能は折り紙付きだけど、あれだけ刃渡りが短いとそれだけ近づかないといけない。それはつまりは危険と隣り合わせってことだからね。近づかないといけないとなると、それだけリスクは上がる。どうせなら弓とかを選んだほうが……あったよう気がする。けどそっか、矢がなかったか。

 どうやってあれは撃つんだろう? 謎である。遠距離が駄目なら、なるべく自分でも使えるであろうあれにしたのはわかる。でもハラハラしちゃうよね。けどあの教会の切り札である武器達は私の魔改造を受けてる。

 呪いは消えて、その力は高められてる。持ったものにブーストをかけてるからね。それはある意味で血浄以上のバフだ。実際はそんなにいきなりそれを実感はできないだろう。だって引き出すためには意識が必要なようにしてある。隊長さんはきっとあの人元からかなり強かったから、その部分も一気に引き出してあれだけ超人的な動きができてるんだろう。

 それに彼は血浄も合わせてるだろうしね。

 市民の人達はまだそれなりの動きしかしてない。最初の人達はそれなりになれてきて、そして存外に自分の体が動けると自覚してきてるはずだろう。そうなると、更にバフの効果が乗ってきて、もっと速く動けたり強くその武器を振れたりするはずだ。

 だからうまく行けば彼女のような女性でも活躍出来ると思う。流石にこんな少女にまで活躍されたら兵士たちの心にも火がつくだろう。それかもしかしたら逆に落ち込む可能性あるけど……そこはかけるしかない。

 

「う、うわああああああああ!!」

 

 少女は自分を奮い立たせるためか咆哮を上げて、態勢を低くして戦場へと駆け出した。