uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 570

力を暴走させた魔王はまだ地面に這いつくばってる。力の暴走は一度始まると止めることはできなくて、そしてそれが起ってる間、普通はまともに動く事も思考を巡らせることだって出来ないはずだ。

 暴走とはそう言う物だろう。けど今の言葉……確かに魔王は這いつくばって苦しんでるのに、確かに私に言葉をかけてきた。そして事実、今私は私の周りで小規模な爆発が起ってる。それは私を自分の影響出来る範囲から出さないようにとするような……そんな意思を感じる爆発だ。

 けどそれはあり得ない。なぜならそうならこれは暴走とは言えないじゃ無い。だって意思を介在できるのなら、そこには理性が介入してる。暴走とはもっと無秩序な物の筈だ。

 暴走してるが、暴走だけじゃない……

(どういうことなんでしょう?)

 わからない。あれは……魔王は一体何をしてる? 私の周りで起ってる小規模な爆発。それによって足止めして、本命の大きな爆発を私に当てる気だろうか?

(相打ち狙い?)

 でもそれは魔王の性格を考えたら可能性は低いような気がする。魔王はいつだって貪欲に戦いをもとめ、そしてその先にはもちろん勝利の二文字がある。戦いと勝利が好きなのが魔王という認識だ。だから相打ちを狙ってるなんて思えない。奴はどんなときにだって勝利を狙う。なら考えられるのは一つだけ。

 ただ力を暴走させるしか出来ない今、魔王がとれる行動選択は多くは無い。魔王はどうやってか暴走の中その力を操ってる。じゃあそれはもう暴走では無いじゃん――と突っ込みが入りそうですが、でもデータ的にはこの力の発現模様は暴走現象と似通ってる。

 だがそこで、魔王はまだ理性を保ってる。それはこの小規模な爆発と、そして言葉を伝えてきたことから確かだ。

 暴走はさせる……そしてそのなかで意思を保ってる――けど体は相変わらず其処にある。それで出来ることと言えば……

(自身の体だけは、守る……とかでしょうか)

 それなら最後に立ってるのは魔王とできるかもしれない。確立は低いが、それが出来ると踏んでこんな無茶なことをやる奴なのも確か。それならば、暴走の頂点が来る前に私の手で引導を……

と思うが、暴走状態に入ってる魔王の周囲には魔王の力があふれ出てて、変な力場を形成してる。

「仕方が無いですね。この体は諦めましょう」

 私は素早くそう判断した。これはただの入れ物……そうそれだけです。けど何やら脳裏に……といっても脳裏なんて物は私にはないはず。けど何故かあの子の事が浮かぶ。いやいやながらも私の為に作ってくれたこの体。

 そう、この体は私への初めてのあの子の贈り物なんだ。そう思うと、勝手に体が動いていた。