uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 333

「うーん」
 
 私はジャルバジャル地域の機械たちと視界をつなげて色々と見て回る。それは協会の不可解な動きの為だ。いや、復活したジャルバジャルへと協会が干渉してくるのは当然だと思う。
 なにせ協会はこの世界にあまねく干渉したいようだからね。だからこそ人がいる所に協会がないなんて考えられない……そんな感じ。そして機械で見てみる限り、奴らは熱心にジャルバジャルへといる人たちへと接触してるようだ。けど、皆さん結構煙たがってる。それはそうだとは思う。
 私の勝手な考えだけど、信仰って寄り添う者であって、おしつけるものじゃない。そりゃあ心に余裕があって時間があれば話を聞こうとも思えるかもしれないが、ジャルバジャルにいる人たちはみんな忙しいのだ。
 
 復興の為に必要な人材とか、アズバインバカラから向こうへ移って一生懸命頑張って仕事を得ようとしてるような人たちがいっぱいだ。アズバインバカラでは下の方の位置で貧しい暮らしを余儀なくされてた人たちでも、ジャルバジャルの復興で頑張って手に職をつけれたりしたら、仕事にできるかもしれないからね。それに今は復興に人手が足りないから、どんな奴だって働き手になってる。絶好の出稼ぎ場所なんだ。
 
 仕事して騒いで飲んでまた仕事……そんな毎日をしてる奴らには信仰はそこまで必要ないのかもしれない。皆目の前の事でいっぱいいっぱいだ。
 
 まあ復興といってもジャルバジャルの街自体はそのまま砂の中から戻ってきたわけだけどね。けど砂の中にあったからそのままではとても住めた状態ではないし、建物はそのまま使えるとしても、色々とやらないといけないことはある。再び砂獣に襲撃されないとも限らないから、防壁は必要だしね。
 
 防壁は町の一部とはみなされてなかったのか、そこは元通りに戻っては来なかったし。なので一応協会の奴らもジャルバジャルの協会へとすみついて……
 
「ありゃりゃ」
 
 どうやら協会はまだ閉鎖されてるようだ。おそらくラパンさんの息子が許可を出してないみたい。無能なバカ息子だと思ってたけど、いいぞもっとやれ。
 
 そう思いながらしばらく変な格好の協会の奴らを観察してて気づいた。
 
「あいつらやっぱり何も乗り物なくない?」
 
 街中では連れまわしてないだけ……というのもあるから一応そういう乗り物系の生き物たちが繋がれてる所も見たけど、協会の奴らが使ってそうな高級そうなのは見当たらなかった。
 協会の奴らがそこらの一般人と同じようなのを使うはずがないからね。絶対に目立つと思ったんだけど……
 
「魔王、協会の奴らは突然現れたのですか?」
『そうだな。いきなり宮殿にやってきたぞ』
 
 ふむ……ふつうあんな異質な集団が来たら下の奴らが報告位に来るんじゃない? まあ私にとって異質に見えるだけで、この世界にとってはあの格好は協会の普通なんだけど……それはそれで報告位来るだろう。
 あのラパンさんの息子に人望がないとかでない限り。
 
(ぶっちゃけありえそうでもあるけど……)
 
 私のこの心象は第一印象でしかないからね。今は案外まともにジャルバジャルが回ってる所を見るとそうではないとは思う。すくなくともただの無能ではないだろう。
 
 ならやっぱりあの協会の集団はいきなり現れてきたってことになる。そんな事が出来る? 私は奴らがどんな種を持ってるのか執拗に観察することにしたよ。