uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 825

 聖剣が集ったエネルギーに応えるかのようにその姿を変えていく。今までも豪華で格好良かったが気品もあった聖剣である。それが更に変わるらしい。輝きが増してて、実際今はその姿をよくみることは叶わない。

 でもその光が今一度、治っていく。でもそれはエネルギーを消費してるわけじゃない。凝縮されたエネルギーがどうやら聖剣へと固定化されてるみたいな? そんな感じだ。

 

「これは……」

 

 光が収まる前に一回大きく黄金の鬼の腕を弾いた。それによって、大きく体勢を崩した黄金の鬼。本来ならそれはとても大きな隙だ。大きく腕が上に上がって、その大きな体が晒されてる。本来ならここで一気に距離を詰めて、真っ二つにしたいくらいだ。でもそれよりも自分は聖剣の変化を優先した。

 実態があった聖剣が、どんどんシンプルになっていく。その姿が透明になっていくような……そして軽さも今までより、よりないかのようになっていった。でも自分にはその存在は確かに感じれるからどうやら問題なんてないみたいだ。そして刀身から始まって、柄まで透明になった。その姿はよく見ればちゃんと見える。刃渡りは一メートル以上はあるだろう。今までは長剣のような感じの聖剣だったが、今は片刃になってる。まるで氷でできた剣のように少し表面は凸凹してるのか、見る角度によって色々な反射をしてる。そしてさらにそれだけじゃない。柄の部分からは光の帯のようなものが二本伸びてた。

 極限までシンプルにした刃……それがどうやら新しい聖剣の姿らしい。眩しかったのに、今や太陽が眩しいくらいになった。そして確かめるように自分は聖剣を握る。鬼は大きく仰け反らせてた体を戻す勢いを利用して、両手を重ねた。握り合わせて、その握った拳を自分に向けて勢いよく振り下ろしてくる。

 

(行けるか? いや、行けるよな)

 

 姿が変わった聖剣にそう問いかける。すると頭の中で聖剣が「もちろん」と言った。けどそれはまだ発揮されることはなかった。なぜなら、鬼の拳がこっちに届く前に自分達の間に蜘蛛の巣が張り巡らされたからだ。それは弾力があって、わずかでも勢いを落としてくれる。でもそれでも完全に鬼の攻撃が止まったわけじゃない。蜘蛛の糸はブチブチとちぎれてる。

 後ろを見ると、G-01が寄越してきた砂獣の彼女が気付いてる。そして何やらうなづいてきた。彼女とは会話はできない。けど、何となくわかった。きっとこう言ってる。

 

「私のことはもう大丈夫です」

 

 −−ってね。だから自分は動き出す。勢いが落ちた拳に着地して、そこから鬼の顔を目指す。すると鬼が自分を掴もうと合わせてた拳を解いて、左手を向けてくる。自分は右腕の方を走ってた。とりあえずその手を避けて、次は左腕の方に渡る。鬼は振り払おうとその上体を振り回す。けどその程度!! このまま上手く走って顔に近づいて、鬼の角を切る!! 今度こそだ! そう思ってたけど、そう簡単にはいかないらしい。

 

「は?」

 

 思わずそんな言葉が口からでた。だって……まさか自分の走ってる腕を自らちぎるってやりすぎだろ。そしてそれを投げた。当然だけど、それと共に自分も上空へと飛ばされた。