私はユグドラシルを使って空中にある一つの物体を生みだした。バチバチとした反応が数分間弾けてその間に亜空間ではそれが生成なのか? それとも転送なのか知らないが、数分でそれは出来上がってこの世界に不似合いな白と青を基調としたメカメカしい物が現れる。
それは単純に最初は一本の棒だった。けど回転すると、その棒の一部が伸びる、それによってその形は長方形にもひし形のように変わることがある。実際はそんな確実な安定した形になることは無いみたいだけどね。
常に形を変えるみたいに、一部分がガシャガシャとまわって一部を出したり引っ込めたりせわしなく動いてる。その棒事態はそこそこに大きくて、太さもG-01と同じくらいの高さと太さをしてる。
これは何をするために生みだしたのか……それは簡単だ。これから私は砂獣の進化体というか、突然変異種をわからせるつもりだ。なのでそうなると、雑魚の砂獣達を放置することになる。
たしかに私は一気に雑魚を蹴散らしたが、結局は波が終わらないと砂獣が減ったまま……なんてことはない。次々と奴らは生まれてくる。それこそいくらでも……だ。だからそれを放置してたら犠牲者が増えることになるだろう。それは困る。
なにせもう、戦ってた市民の人たちは限界を迎えてる。誰もが私が雑魚を蹴散らしてる間、ただ地面に倒れ込んでしまってる人が大半だ。本当なら安全なところまで下がったり、それこそ水を飲んだりしたほうがいい……と思ってるはずだ。喉だってカラカラだろうしね。
ここは水の都だからそこらに水路がある。普段はそれを使ってるのかしらないが、流石に今は誰もそこで喉を潤そうとはしない。なぜなら、かなり汚くなってるからだ。波が起こる前はきっと町中の水路だってきれいだったんだろう。けど今はそうじゃない。砂ならまだしも、今や水路はかなり汚い。なにせ人の血……そして砂獣の血でかなり汚い色になってるからだ。
流石にあそこで喉を潤そう……とは考えられないだろう。今動けてるのは、まだ私の攻撃でやられてない特別な砂獣とそして金の鬼くらいだ。これから生まれてくる砂獣は私が今生みだしたこの機械がサーザインシャインインラ一帯を常にスキャンしてるから、砂獣が生まれたらその体の一部を引き伸ばし、そこからミサイルを発射して、殲滅する――という事をしてくれる。
「隊長さん達は頑張ってるようだけど……」
向こうだって限界は近いだろう。もともと軍の人たちはそれこそ一般市民よりは体力があるだろうが、それにだって限界はある。それなのに砂獣には体力なんて概念はない。
かなりその負担は隊長さんにきてる。イケメンの隊長さんも、かなりボロボロ……一刻も早く間に入ったほうがいい。私はロケット部分をパージする。そしてG-01のその姿になったまま、私は一気に地上に落ちた。それはもちろん、隊長さんと特別な砂獣が戦ってるその只中。その戦闘を切り裂くように、私はそこに降り立った。